先日行われたIMSTA FESTA TOKYOでデモンストレーションを担当させてもらいました。
この連載では、FabFilterプロダクトについて紹介していこうと思います。
FabFilter製品に共通して言えるのが“視認性”の良さ。
元の音がどうなっていて、エフェクターでどれくらい処理をした結果、その音がどうなっているのか一目瞭然ですし、プラグインの画面をフルスクリーンで表示するモードがあるので、細かい部分の調整にもとても便利です。
まずは、イコライザーのPro-Q 3から紹介していきましょう。
Pro-Q 3
このイコライザー凄いっす。
当たり前に普通のイコライジングをすることも出来ますが、超~狭い帯域を繊細に調整することも出来たりするので音楽だけでなくナレーションやアフレコなど声の収録にも威力を発揮すると思います。
ではまず立ち上げてみましょう。
多くのイコライザープラグインと同様に横軸で左から右に向かっていくと周波数帯の高低を調整することができます。
縦軸は中央の黄色いラインを境目に上に行くとゲインを上げ、下に向かうとゲインを下げます。
中央の黄色いラインの上にカーソルを合わせると黄色い点ができるので、それをクリックしてください。
その点が何Hzであるかを知りたい場合は、画面下の周波数を表示している目盛に選択中の周波数も表示されます。
点を上下左右にドラッグして調整する周波数やゲイン値をコントロールすることができます。
シフトキー+ドラッグではファインチューニング(微調整)することができますし、コマンド(Ctrl)+ドラッグではQのみを調整することができます。
好きなところでダブルクリックするとそこを中心にEQカーブを調整できるようになります。
調整する帯域が決まるとエディターが表示され、ここでEQカーブ、スロープ、周波数、ゲイン、Qなどを調整することができます。
EQタイプを見てみましょう。
イコライジングをする上で必要と思われるシェイプはすべて用意されていると言っていいでしょう。
EQカーブの緩急を決めるスロープも種類があるので、急激なスロープでバッサリとカットすることも、緩やかなカーブで自然な響きを演出することも出来ます。
イコライジングしてみる?
実際にイコライザーを動かしてみましょう。
アコースティックギターを録音したトラックにPro-Q 3をかけてみましょう。
まず、何もかかってない音。
ではこの音をどうするか?
Pro-Q 3は視認性がいいというお話は前にしましたが、ここでもその視認性の1つの機能が役立ちます。
まずはこのギタートラックにPro-Q 3をインサートして音を流してみましょう。
アナライザーによってこのトラックの音の周波数分布を確認することができます。
これを使って不要な、または抑えたい周波数帯を素早く見つけることができます。
出ている周波数成分が山のようになって表示されていますが、その内側にカーソルを置いたままにするとピークを持つ周波数が数字で表記され、そのピークの部分をつかんでピンポイントで調整することも出来るんです。
この機能、超~~便利!自分で探さなくても出すぎている部分をプラグインが自動的に見つけてくれるなんて至れり尽くせりです。
このストロークは、16分で弾いているので、軽やかなサウンドにしたいと考えています。山の左側、195Hz以下の周波数を削ってみましょう。
抑える方向で使用するので、195Hzくらいのところでローカットを選び、スロープを24dB/octに設定してみたらこんな感じの音になりました。
だいぶ軽やかになりましたね?
この楽器の数だと頼りない感じしますが、この後アレンジをして楽器数が増えていくとアコギのボディが 鳴っている部分と他の楽器の周波数帯が重なってしまって音がぼやけてしまうのでアコギの音で一番欲しい弦のシャリシャリした音を残して、他は抑えました。
こうやって実際の周波数を確認しながら作業するとやりやすいですね~~。
Pro-Q 3にはまだまだ魅力的な機能があるので、それを余すところなく紹介できればと思っています。