良い子しかマネしてはいけません RELOOP x こどもDJ

良い子しかマネしてはいけませんRELOOP x こどもDJ

先日、都内近郊の某保育園にて、2歳~5歳の園児約120人にむけてRELOOP機材を使用したDJイベントを行いました。

現場にはTBSラジオ 「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」やWebマガジン「日刊SPA!」の取材の方々も同行していただいたので、イベントの盛り上がりやKAZUHIRO ABO氏のインタビューなど、すでに詳しく紹介されて大きな話題となっているので、下記もご覧ください。

■ 日刊SPA!

保育園でDJが120人の園児をロック!【動画あり】

保育園DJインタビュー「知らない四つ打ちの曲のほうが園児は踊ってくれる」

■ ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル podcast

6/8 サタデーナイトラボ「コドモDJ特集」【前編】

6/8 サタデーナイトラボ「コドモDJ特集」【後編】

実は下準備がとても大変なこどもDJ(※1)

※1:子供向けにDJを行う行為

われわれディリゲントがこどもDJにかかわり始めたきっかけは9年ほど前に撮られたというこの動画です。

▶ DJ for KIDS (KAZUHIRO ABO at 幼稚園)

KAZUHIRO ABO氏の活動の一部を記録したこの動画、毎年あちこちで取り上げられて定期的に話題になっていたのですが、今年初めに再度TwitterやFacebookなどで大きな話題となりました。

RELOOPSeratoなどDJブランドの取扱いをする上で、常に新しいDJの形を提案をし続けているディリゲント、この動画にガツンとやられ「ウチでもこれやろう!」と即決したものの、こどもDJ、そうそう簡単な話ではありません。

保育園DJ

先に謝罪しておきますが、当初私は、単純に子供に向けてDJをして盛り上げちゃおう!という非常に甘い考えを持っていました。本当にすみませんでした。
ところが、KAZUHIRO ABO氏の話を聞いてまさに目から鱗。
ABO氏の、こども向けにDJをするという行為は深く考え抜かれたコンセプトのもとに成り立っています。
こどもにダンスミュージックを聞かせて踊ってもらうのが本来の目的ではなく、子供たちに自由に踊れるルール無用の場を提供して、より豊かな自己表現を身につけてもらうことが、KAZUHIRO ABO氏の狙いです。

大人が「さぁこどもたちよ踊りたまえ!」と、いきなり大音量でダンスミュージックを聴かせれば、一見こどもDJは成立します。

でもそれは、こどもにとっては新しいお勉強の科目が増えたようなもので、こどもたちに大人が選んだ服を着せて、着せ替え人形扱いをするのにも似ています。

KAZUHIRO ABO氏は、機材設置の段階からこまめに園児たちに声をかけてコミュニケーションを取り、同席するスタッフの服装や人数等にも気を配っていました。
こどもの警戒心を解き、心から音楽に没入してもらうための配慮が大事なんです。

保育園DJの様子

また、音のセッティングもとても重要です。
こどもの耳はとても敏感で聞こえている音は大人とはだいぶ違うので、通常のDJプレイの音量では騒音性難聴を引き起こす可能性もあります。
そのため、特に高音域の音量に注意してグライコを調整。
スピーカーの配置も、こどもの耳に直接音圧がかからないように大人の肩より高い位置に設置しました。

今回は動画と写真の公開を前提としていましたので、そこにも注意が必要です。
私のこどもが通っている保育園に、イベントの許可をお願いして実現した企画ですので、協力していただいた保育園、保護者の方、なにより園児のみなさんに迷惑をかけないよう、公開前の動画や写真素材の確認などを綿密に行いまして、保育園スタッフのみなさんには、イベント当日だけでなくその後もお忙しいお仕事の合間をぬって、動画のチェックなどをしていただきました。

多くの人にDJの楽しみ方を提案するためのイベントレポートではありますが、安易にこどもにダンスミュージックを聞かせただけじゃない、という熱い気持ちは伝わりましたでしょうか?
日刊SPA!へのリンクにあるKAZUHIRO ABO氏のインタビューで、彼の熱い思いが語られています。

そして園児たちは真っ白な灰になる

実際のDJプレイは30分間ですが、園児達はわずか30分で完全に燃え尽きます。

動画の流れを説明しましょう

  • 0:00 イントロダクション
  • 2:10 キック入る まだ園児には戸惑いも見える
  • 2:30 本格的に音楽スタート、フロアは一気にヒートアップ
  • 3:20 開始10分 曲調の変化にも敏感に対応する園児たち
  • 4:50 開始15分 少し落ち着きはじめた場が、ブレイクひとつで一気にまた最高潮に
  • 8:50 開始25分 疲れて座り込む園児も増えてくる、朝の4時半のクラブの雰囲気

Youtubeの動画は粗めの画質にしているため分かりにくいのですが、盛り上がっている園児たちはみんな髪の毛はビショビショ。頭から水をぶっかけたような汗だくっぷりです。本当に全力で音楽を楽しんでいました。
こどもは気まぐれさも全力ですから、当日すみっこでごろごろしていた園児でも、次回は狂乱のダンスを見せてくれるかも知れません。

img_fun_preschool_20130614_04.jpg

イベント後、今でもたくさんの園児から「次はいつ?」「楽しかった!」と声を掛けられます。
また、家に帰ってから「音楽かけて!」と保護者に頼んだ園児もいたそうです。

img_fun_preschool_20130614_05.jpg

1年に一度でも、幼少期にこういう場を体験していれば、その後の音楽とのかかわり方が大きく変わってくると思いませんか?
アガる曲で踊って、泣ける曲で号泣できる、音楽受信力の高い人になってくれそうな気がします。

今後もディリゲントとKAZUHIRO ABO氏でさまざまなコラボ企画を進めて行く予定ですので、また次回もお楽しみに!

ふかし

世界中の面白い音楽機材やソフトウェアを日本に持ってくる仕事が楽しくてたまらない。最終的なブランド選定基準は「中の人がいいヤツかどうか」。