Bitwig Studioにヴォコーダープラグインが追加(続き)
前回の記事ではヴォコーダーとは何か?の説明と、Bitwig Studioに追加されたVocoderを実際に試したVocoderプラグインを試してみよう (前編)までご紹介しました。
今回はVocoderプラグインを試してみよう(後編)をご紹介します。
Vocoderプラグインを試してみよう(後編)
まずはModulatorに入力されるボーカルに、ヴォコーダーの効果をかかりやすくするための調整を行います。
今回のボーカルトラックがステレオ素材のため、モノラル化と音圧の調整をして整えます。
Vocoderの左上のModulatorをクリックした後、Vocoderの右側に表示されるプラスマークをクリックしてデバイスをインサートします。
インサートしたデバイスは2つのデバイスは以下の通りです。
- TOOL
- COMPRESSOR
TOOLのWidthをゼロにしてモノラル化し、COMPRESSORでレベルを均一化しています。
次にパラメーターの調整を行います。
Vocoderデバイスのヘルプビューを見てみましょう。
どこから調整してよいのか迷うところですが、すべてのパラメーターを把握できなくても基本的には触って”イイ感じ”になれば問題ありません(笑)
オススメは下の3点の調整をして大まかに方向を決めてから、微調整していくと使いやすいかと思いました。
- FormantとBrightnessで声色を調整
- Number of Bandsでロボットっぽさを調整
- Lowest Band-pass FrequencyとHighest Band-pass Frequencyで出力する周波数帯を調整
今回はこんな感じに調整しました。
注)Modulatorへの音声はモノラル化しましたが、Vocoderはステレオに設定しています。
Vocoderの調整が済んだらエフェクトを追加したいと思います。
Wet FXをクリックしてチェインを表示させ、右に表示されたプラスマークをクリックしてヴォコーダーがかかった音にエフェクトを追加します。
今回は以下の3点をインサートしてます。
EQ-5:音質の調整
TRANSIENT CONTROL:トランジェントの調整(バックコーラスを想定しているため、アタックを弱めました)
TOOL:Widthを165%にしてステレオ感を広げた(Vocoderデバイスでステレオにしたが広がりが弱かったので)
バックトラックになじむようにディレイとリバーブを追加したのがこちら
さらにヴォコーダーのベースパートも作ってみたいと思います。
これまでのパートは和音で作成しましたが、今回はベースパートのため、オーディオトラックとインストゥルメントトラックを複製し、ベースパートのMIDIデータを単音で新規に作成します。
ベースパートも基本的にはこれまでの設定に近い設定にしてますが、これまでのパートよりロボットっぽさを出したかったので、Number of Bandsを16バンドに変更(先のパートでは32バンドで作成)したり、不要なディレイリバーブは無しでその他音質の調整を行いました。
ベースパートはこちら
そしてバックコーラスにベースパートを追加したのがこちら
ヴォコーダーの設定は以上です!
バックトラックを含めた状態で、ヴォコーダーなしの状態と、バックコーラスとしてのヴォコーダーを加えたバージョンを聞いてみます。
完成形(ヴォコーダーなし)
完成形(ヴォコーダーあり)
いかがでしたでしょうか?
今回はBitwig Studioに搭載されているVocoderデバイスを使って、歌メロに対してのバックコーラスとしてのヴォコーダーを試してみました!
また、ディリゲントでは「Polyverse」というメーカーの取り扱いを行なっております。
今回のようなヴォコーダーのような効果はもちろん、他にもかなり過激な効果を生むエフェクトを得意とするプラグインがあるので、ご紹介しておきます。
プラグインの名は、「MANIPULATOR」。
独自のグラニュラー・アルゴリズムで音質や音程を劇的に変化させ、全く新しいサウンドを創造するとともにクリエイティビティを刺激するツール。
ぜひこちらの製品もチェックしてみてください!デモ動画をご覧いただければどんなエフェクトかお分かりいただけると思います。
そして今回で「Catch UP Bitwig Studio」は一旦終了となります。
ご覧いただきありがとうございました!