新しいノートFXデバイスを曲作りに活用する
第7回:バージョン4.2で追加されたNote Grid
前回は新規追加された3つのオーディオFXデバイスをピックアップしましたが、今回は第3のグリッド環境となるNote Gridを紹介しましょう。
Note Gridについて
既にBitwig StudioにはPoly GridとFX Gridというそれぞれシンセシスやエフェクトに関するフレキシブルなサウンドデザインが行なえるモジュラーサウンドデザイン環境がありますが、今回追加されたNote Gridは、ノート処理や生成を行なうためのモジュラーサウンドデザイン環境です。Note Gridの場合には、184のGridモジュールを自由に組み合わせて、DAWなどに装備されているMIDIエフェクト以上の複雑かつ高度なノート処理や生成が行なえる点が異なります。
注目すべきは、MIDI信号をプロセッシングするということで、演奏されるサウンドが限定されていないため、Note Gridでコントロールするインストゥルメントや音色はいつでも自由に差し替えられる点でしょう。演奏させてみて、イメージと合わなければ、音色を変えたり、インストゥルメント自体を差し替えたりすることが容易にできるということです。
実際にどんなことができるのかは、プリセットを使用して紹介しましょう。
Note Gridでできることとは?
それでは、Note Gridのプリセットを2つほど紹介しましょう。
まずは、リズムマシン的なストラクチャーになっている「Coupled Accents」です。
図のようにNote Gridの後ろにインストゥルメントデバイスのDrumMachineを置くと、リズムマシンのようなリズム演奏を行なうことができます。
今回はプリセットのTR-808キットを選んでいますが、好みで各打楽器を割り当てても良いでしょう。
GUI中のイベントシーケンサー部分でリズムパターンを作成していきます。
詳細については省略しますが、このプリセットで得られるリズム演奏は、確率発生的なランダム演奏が行なえるように作成されていますので、オーソドックスなドラムキットを使用するのも良いのですが、グリッチ系のシンセパーカッションなどをアサインして演奏させると、より面白みのあるリズムトラックが作成できるでしょう。
次に紹介するのは、「Drifting Pitches」です。
このプリセットは、モノピッチシーケンサーを3基使用したパターンシーケンサーです。
Note Gridの後ろにインストゥルメントデバイスを置いて演奏させると、3声のハーモニー演奏が得られ、こちらもランダム演奏が行なえます。
Note Gridのパラメータを変えつつ演奏させるとより効果的ですので、リアルタイムでのパフォーマンスに適しているでしょう。
このブログをまさに書き進めている最中に、バージョン4.2の正式リリースのアナウンスがありました。
次回以降は、「新装開店」ということで、バージョン4.2の正式版を使用したTipsなどを紹介していきたいと思います。