新しいノートFXデバイスを曲作りに活用する
第4回:Bend
今回のノートFXはBendを紹介したいと思います。
Bendをより効果的に使用するために既存ノートFXデバイスも組み合わせて使ってみましょう。
Bendで得られる効果
Bendは、各ノートのピッチを変化させるノートFXデバイスで、その名称の通りシンセサイザーやMIDIコントローラなどに装備しているピッチベンドと同様の効果を付加するものです。
トリガーされたノートに対して設定したピッチ変化が付加されますので、元トラック上にピッチベンド情報を打ち込んでいなかったり、そのトラックのインストゥルメントで設定していなくてもオートベンド効果が得られます。
Bendを使用したトラック制作例(基本編)
Bendを使用した効果を実際に聴いて比較して頂くために簡単なデモを作成しました。
まずは、Bendをインサートする前の演奏を聴いてみましょう。演奏しているフレーズは図のように打ち込んでいます。
シンセリードのフレーズは符割的には長い音価が多いフレーズです。このフレーズにBendを加えてみると、アナログシンセ的なテイストが付加されているのがわかると思います。
ポルタメントやグライド機能を持たないシンセ音源にピッチ変化を加えたい時などには効果的なデバイスですね。
Bendを使用したトラック制作例(応用編)
基本編ではどちらかというと正攻法の使い方を紹介しましたが、より積極的な活用例として他のノートFXデバイスを組み合わせてみましょう。
先ほどのシンセリードのトラックでBendの後にMutli-note → Randomizeと追加してみました。
少々やり過ぎな感じもありますが、単音フレーズの時よりも目立ったサウンドになっていると思います。
ここで、追加したデバイスについて補足しておきましょう。
Multi-noteは、大まかにいうと単音の演奏を和音演奏に変化させることができるものです。
元のピッチを任意のピッチや強弱に最大8個変化させることができるだけでなく、それらがどの位の頻度で演奏されるかも設定することができるため、微妙に異なるフレーズが得られます。設定次第ではコードメモリー的な使い方もできるので、同じコードの平行移動フレーズを容易に得られます。
Randomizeは、ピッチやパン、強弱などを不規則に変化させるノートFXデバイスです。既にこの連載でも多用していますが、思いがけないフレーズやサウンドを得るには非常に効果的なデバイスです。