前回BITWIG STUDIO 1.2で追加された新機能から、ミキサー画面表示中のクリップの大きさを変更する『Switch between single or big clip height』について紹介しました。
BITWIG STUDIOは3台3画面までのマルチスクリーンを想定したディスプレイプリセットが用意されていて、快適に操作を行なえる配慮がされているソフトですが、実際のところ、マルチディスプレイ環境を構築している人の方が少数派なのではないかと思います。
そこで、以前紹介したシングルディスプレイ環境でショートカットを併用した表示のテクニックを使ったりもするのですが、それ以前に前回のようなちょっとした機能でクリップやトラックの大きさを選択できるようになっていたりすると、それはそれで便利ですよね。
今回は特にバージョン1.2や、なぜか飛び越えたバージョン1.3で追加された機能ではないですが、トラックの表示方法についての機能について触れてみたいと思います。
Single or Double row track height
例えば、MacBook Pro 13インチ(1280×800)で左右にインスペクターとブラウザパネル、中央メインパネルにクリップランチャーとセカンドパネルにノートエディタを表示して作業しているとすると、このように表示されます。
クリップランチャーを操作している時はトラック全体を把握したいことが割とありますが、この画面ではスクロールしないと表示できません。
そこで、セカンドパネルのノートエディタの表示を消してみます。
すると、このプロジェクトで使用されているトラック12本はギリギリ一覧で見えるようになりました。
が、プロジェクトでそれ以上のトラックが使用されていた場合や、そもそもエフェクトトラックはこの時点でも見切れていたりするので、やはりスクロールしないといけない状況です。
そこで、メインパネルの表示アイコンの『Single or Double row track height』アイコン画像赤枠をクリックして、トラックの表示をシングル表示に変更します。
すると、前回のミキサー画面のクリップ表示とちょうど逆のように、トラックを最低限の表示に切り替えて、広い範囲を一望できるようになります。
ただし、この表示ではクリップの内容を把握しづらいという弱点もあるので、場合によっては一長一短といったところかもしれません。
Toggle Track Activated
『クリップは通常の大きさ、表示したいトラックだけを表示して作業する』となると、バージョン1.2で追加されたグループトラックの機能がやはりベストというか一般的だと思います。
試しにBassやPad、FXというようにグループ別けしてみました。
グループトラックの使用方法詳細は以前1.2ベータが公開された時の記事をご参照ください。
グループトラック内に含まれるトラックの表示方法がほんの少し変更された以外はベータ公開時とほぼ変わりないと思いますが、BITWIG STUDIOのグループトラックは、各グループトラックのみを表示するソロ機能を持っていて、それがとても便利だったりします。
BITWIG STUDIOの便利な表示機能という点では、実はバージョン1.2でグループトラックが追加される以前から、もうひとつトラック・アクティベートという機能があります。
この機能を使用するには、任意のトラック上で右クリックして表示されるメニューより、Toggle Track Activatedメニューを選択するか、トラックを選択後にショートカット『alt+A』を入力します。
Toggle Track Activatedが行なわれているトラックはトラックヘッダーアイコンとトラック名称がグレイアウトして、ArmボタンやSoloボタンも消えるので見てすぐ判るようになっています。
シフトキーやコマンド(winの場合はコントロール)キー併用で複数選択も可能なので、一括設定することもできます。
この設定を行なっている場合、メインパネルのShow deactivated tracksボタンをクリックして表示非表示を切り替えることができます。
Toggle Track Activatedを行なったトラックは、トラックのすべての機能が無効化されるため、完全にミュート状態になります。
つまりShow deactivated tracksボタンを併用してすぐに使わないトラックを完全にミュートしつつ、表示も消しておくことができるという機能で、グループトラックの表示をソロにする(指定したグループのみを表示する)機能のちょうど逆の機能というような捉え方ができます。
その時の作業内容やシチュエーションに応じてそれぞれの機能を使い分けることで、快適度がだいぶ変わってくると思います。
グループトラックやToggle Track Activatedを使いこなして快適度を上げつつ、BITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!