第3回:Omnisphereの各ページを深掘りする(その2:LAYERページ前編)
今回と次回の2回に分けてLAYERページについて解説していきたいと思います。
前編では、概要とオシレーターセクション部分を深掘ってみましょう。
LAYERページについて
Omnisphereの1つのパッチは最大で4レイヤーのサウンドを組み合わせて作成できますが、その各レイヤーのサウンドメイクを行うページになります。
レイヤーページはAからDまでありますが、同じパラメーター構成となっていますので、ここではレイヤーAのページで解説を行います。
図1:GUI上部に配置されているページ切替ボタンの黄色の枠線で囲んだ部分が各レイヤーページとなる。
各部をチェック
レイヤーページのメインGUIでは、左側部分にピッチ関連のパラメーター、右側部分にアンプ関連のパラメーターがレイアウトされています。
図2:図中の①がピッチ関連のパラメーター設定部分、②がオシレーターやフィルターセクション部分、③がアンプ関連の設定部分となる。なお、レイヤーページを開いた状態で表示されているパラメーターは、レイヤー全体の設定を行うパラメーターとなっている。
中央部分に配置されたオシレーターやフィルター、LFO、EGの中で、LFO以外のセクションでは虫メガネアイコンの部分をクリックすると詳細なパラメーターを設定する画面が表示されます。
図3:黄色の枠線で囲んだ部分が各セクションのZOOMページを表示させるボタンとなる。
まずはオシレーターセクション部分を深堀ってみましょう。虫眼鏡アイコンをクリックするとOSCILLATOR ZOOMページが表示されます。
表示されたGUI上部にはMAIN、FM(FREQUENCY MODULATION)、RING(RING MODULATION)、WS(WAVESHAPER)、UNISON、HARMONIA、GRAN(GRANULAR)という7つのボタンがあり、それぞれ以下のような設定ができます。
図4:オシレーターのZOOMページを表示させた状態。黄色の枠線で囲んだ部分でシンセシスなどを切り替える。
- MAIN:オシレーター波形の種類やピッチ関連のパラメーター、波形の質感を調整するためのSHAPEやHARD SYNCなどの設定を行います。
- FM:いわゆるFM変調を行うための設定を行います。
- RING:リングモジュレーターの設定を行います。
- WS:ウェーブシェイピングの設定を行います。
- UNISON:音の厚みを出すデチューン効果の設定を行います。
- HARMONIA:レイヤーに最大で4つのオシレーターを追加して、コーダルハーモニー効果やデチューン効果などが得られるOmnisphereのユニークな機能の一つです。AからDのレイヤーにはそれぞれにHARMONIAセクションがありますので、1パッチあたり最大16個のオシレーターを追加できるため、トータルで20個のオシレーターが追加できます。
- GRAN:グラニュラーシンセシスの設定を行います。Omnisphereのバージョン1.xに採用されていたグラニュラーアルゴリズムとの下位互換性を確保するためのLEGACYボタンも用意されています。
これらのシンセシスや効果は複数同時使用が可能ですが、UNISON、HARMONIA、GRANについては同時に使用することはできない点に注意しましょう。
次回はフィルターセクション、エンベロープセクションなど残りの部分を深掘りたいと思います。