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作曲アイデアをAIに任せてみた:ACE Studioで1曲仕上げる – vol.3

第3回:AI楽器でMIDIデータを演奏させてみた

今回は、AI楽器を使用して自分でMIDIデータを打ち込んで演奏させてみました。

ACE StudioのAI楽器を使用すると打ち込んだフレーズに応じてアーティキュレーション表現などを調整できますが、どのように再生されるのか実際に試してみましょう。

AI楽器を使用する準備

まずは打ち込んだMIDIデータを演奏させたい楽器を選びましょう。

画面下部中央の左から2番目の“ AI楽器 ”をクリックして、使用する楽器を選びます。

図1

楽器を選び、トラックの任意の位置でクリックするとトラックにAI楽器が割り当てられ、MIDIデータを打ち込むクリップが作成されます。

図2

今回は弦楽器の二重奏的な演奏を作成するため、ビオラとチェロのAI楽器をそれぞれ選び、トラックを作成しました。

各トラックのフレーズを打ち込む

ビオラのトラックのクリップをダブルクリックしてエディタ画面を表示させたら、鉛筆ツールを選び、フレーズを入力します。

図3

なお、ここでの入力方法は一般的なDAWのピアノロールエディタでの作法と同様に行なえますので、特に入力方法を新たに覚えなくても十分行えるでしょう。

ビオラのトラックが作成できたら、チェロのトラックも同様にフレーズを打ち込んでいきます。

図4

このようにして打ち込んだ状態のサンプルがこちらです。

打ち込んだMIDIデータは各ノートのピッチとデュレーションのみを指定しただけですが、どちらのパートにも自然なアーティキュレーション表現が加味されていることがわかると思います。

各パートの厚みをアンサンブルで調整する

上のデモ音源の状態でもそれなりの質感はありますが、演奏の厚みやリバーブなどを調整することでより立体的なサウンドに仕立てることができます。

演奏に厚みや人数感を表現するのに役立つのが「アンサンブル」機能です。

各トラックの楽器アイコン部分をクリックするとアンサンブルの設定を行う画面がポップアップ表示されますので、「アンサンブルをオンにする」をクリックします。

図5

すると図6のようにビオラのトラック内に楽器を追加していくことができますので、レイヤーしたい楽器を割り当てていきましょう。

図6

続いてチェロのトラックも同様に割り当てを行います。

図7

ボリュームバランス、パン、リバーブを調整する

最後にミキシング的な調整を行って仕上げていきます。

ボリュームバランスやパン、エフェクトなどを調整する際には、一番上のトラックのすぐ上にある三本線のアイコン部分をクリックして、

図8a

表示される一番左のアイコンをクリックするとミキサーが表示されます。

図8b

黄色の枠線で囲んだ部分で左のスライダーがパン、右のスライダーがボリュームの調整が行えますので、各トラックをそれぞれ適宜調整します。

図8c

リバーブの調整は「FX」ボタンをクリックすると、エフェクト設定のパラメータが表示されますので、適宜設定しましょう。今回は「Church」大部のリバーブを各トラックで選び、ビオラの方は20%、

図9

チェロの方は10%に設定しました。

図10

これらの調整を行った状態のサウンドサンプルがこちらです。

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。