毎週火曜日更新のこの『BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう』なのですが、今はもうひとつ金曜更新の『Sugar Bytes幕の内連載』という連載があります。
Sugar Bytes幕の内の方では何かと都合が良いのでBITWIG STUDIOにSugar Bytes製品をインサートして操作しつつ記事を書いていますが、しれっと操作していてふと思うに、DAWソフトでオーディオにエフェクトを掛ける場合、そのエフェクトがMIDI信号で制御できる場合の設定方法は各DAWソフトによってずいぶん変わります。
大きく分けると『オーディオトラックにそのままエフェクトをインサートしてMIDI信号を送れるもの』と『オーディオトラックとは別にMIDI信号を扱えるトラックを作成して紐付けるもの』と言えると思います。
BITWIG STUDIOの場合はどちらかというと後者に当たりますが、実は以前その機能を紹介した時にだいぶ端折っているので、改めて解説を。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
MIDIで操作するエフェクトはインストゥルメントトラックに起動してオーディオをルーティング
本連載52回目で紹介したAudio Receiverですね。
これは『他のトラックのオーディオを受ける』というだけの単純なデバイスですが、オーディオトラックやインストゥルメントトラックにMIDIでコントロールしたいエフェクトなどを適用するのにも便利です。
手順もインストゥルメントトラックにAudio Receiverとコントロールしたいエフェクトを起動したら、Audio Receiverのinputプルダウンメニューで任意の入力(他のトラックの出力)を選択するだけです。
この時エフェクトがどのような種類のもので、どのように使用するかによって、微妙に選択肢があります。
まず初めの選択肢はPreかPostか。
任意のトラックのボリュームフェーダーの前で信号を抜くか後で抜くかによって効果もだいぶ変わってきます。
例えば元となるオーディオ(またはインストゥルメント)トラックのPostフェーダーを受けた場合は、元トラックをフェードアウトさせるとAudio Receiverをインサートしているトラックのエフェクトもフェードアウトしていきます。
逆にPreフェーダーで信号を受けている場合には元のトラックとAudio Receiverのトラックは個別にボリューム調整が可能になります。
エフェクトのサウンドのみを出力したい場合にベストなのは元トラックのPreをAudio Receiverに受け渡して、元トラックはミュートしてしまうことだと思います。
Preフェーダー信号をAudio Receiverに渡してしまっているので、元トラックはボリュームフェーダーを絞ろうがミュートしようが、Audio Receiverから発音するので問題ないということになります。
Mixノブとトラックフェーダーの違い
もうひとつの選択肢はAudio ReceiverのMixノブです。
Mixノブも元となるトラックのサウンドと、今回の内容ではエフェクト音とのバランスをとるために使います。
これも元トラックの信号をPreで抜くかPostで抜くかで効果も変わってきますが、使ってみるとすぐに『で、Audio ReceiverのMixとAudio Receiverをインサートしてるトラックのフェーダーは何が違うの?』という疑問が湧いてくるのではないかと思います。
ポイントはPreであれPostであれ、Mixは原音とエフェクト音のバランスを取っているだけなので、音量をリアルタイムに変化させることができないというところでしょうか。
エフェクトの効果のみがフェードインまたはフェードアウトするというような演出をする場合にはAudio Receiverがインサートされているトラックのフェーダーを操作する必要があります。
とはいえ、MIDIコントローラでガシガシ行く系のエフェクトは、エフェクト音のみか、パイパスされているかというような潔い使い方をするものが多いようにも思いますし、個人的には元のトラックはミュートでPreフェーダーで抜いて使うことが多いですが、知って損するものでもないのでこういう機能もあるんだな…という程度には覚えておいていただきたし。
といったところで引き続きBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!