Newfangled Audioとは?

Newfangled Audioは、元EventideのエンジニアであるDan Gillespie氏によって設立された、プロオーディオ向けプラグインの開発ブランドです。機械学習や高度なDSP(デジタルシグナルプロセッシング)技術を駆使した直感的な操作性と今までにない独創的なサウンドメイクを両立するプロダクトをリリースしています。
Fixate:Midrangeとは?

中域の処理に特化したインテリジェントプロセッサーで音が密集しやすい中域に起こる様々な問題を改善するためのプラグインで中域の処理に特化したものとなっています。問題が起こりやすい中域で、それぞれ専用のインテリジェントプロセッサーが対処します。すべての補正はダイナミックかつ信号に追従して行われ、問題が検出された場合にのみ作動するようになっています。
なぜ中域の処理に特化しているのか
中域にはサウンドの印象にとって重要な要素を持つものが多く集まっています。ボーカルの体の鳴り、ギターのボディの音やドラム、ベースの音もこの帯域に存在します。
いわば音が渋滞しやすい帯域とでも表現できるのでしょうか。この帯域をイメージ通りに調整することができれば、楽曲の印象をさらに向上させることも可能です。
ただ、やみくもにいじると返って印象を悪くしてしまうので、非常にデリケートな作業を必要とします。熟練したエンジニアのようなノウハウや技術がなくてもインテリジェントプロセッサーの助けを借りてより良いサウンドに仕上げることが可能です。
Fixate:Midrangeができること
中域で起こる問題として「濁り」「薄さ」「鼻詰まりのような音」「鼻声」「耳障りな硬さ」「スペクトルの不均衡」などが挙げられます。
Fixate:Midrangeは、中域でもっとも頻繁に起こる上記6つの問題をインテリジェントプロセッサーを使用して改善を図ります。マスタリング時に使うこともできれば、中域を改善することで印象を変えられそうな音色にも使うことができそうです。
※ プリセットにはボーカルやアコースティックギター向けのプリセットも収録されています。
使い方その1:プリセットからイメージに近いものを選んで微調整
自分で試していてはっきりわかる場合もありますが、繊細な違いの場合もあるので、イヤフォン、ヘッドフォン、大きめのモニタースピーカーで視聴していただくことをお勧めします。
今回のデモトラックはAIに作ってもらいました。そのトラックがこれです。
今時のJ-POP風トラックですが、中低域〜低域が重くて高域が少し痛いドンシャリな印象を受けますね。中域が足りないというか、このプラグインを試すには格好の題材です。
豊富なプリセットライブラリーの中から気になるものを選択してみましょう。
K-POPとかModern POPも考えたんですけど、ハイトーンのボーカルなので帯域が女性に近いかな?と想像の元「Female Vocal Pop」にしてみました。

この時点では音は変わらないので、ここでANALYZEボタンを押してみます。
しばらく解析したのちに、オレンジ色の部分を表示するようになりました。これはFixate:Midrangeが提示するFemale Vocal Popと今再生したトラックの周波数の差を表しています。

Fixate:Midrangeは、OVERVIEW、RESONANCE DETAIL、EQ BALLAMCE DETAILという3つのタブから構成されています。
OVERVIEWタブ
MATCH EQ BALLANCEスライダーを右方向へドラッグして見ると、水色のラインが白色のラインへと近づいていきます。
MATCH EQ BALLANCEスライダーが左端にある状態で出てくる音は「オリジナル(素の音)」になります。スライダーを右方向へ上げていくと少しずつプロセッシングされた音が加えられていきます。
聴きながらちょうどいいところで止めておくといいでしょう。
RESONANCE DETAILタブ
レゾナンスメーターが問題のある箇所を教えてくれるので、その帯域のパラメーターを調整して問題解決する割合を決定することができます。

メーターの上部がサイド、下部がミッドの情報を表示しています。
EQ BALLAMCE DETAILタブ
MATCH EQ BALLANCEスライダーを上げていくことにより適用するEQカーブを自分の好みに調整することができます。解析結果に微調整を加えたい時に使うといいでしょう。調整してみた結果がこれです。
使い方その2:お気に入りのサウンドをリファレンスとして
プロファイルの中から気に入ったものが見つからない場合、リファレンストラックをプラグインにドラッグ&ドロップするだけで、Fixate:Midrangeが自動的にそのトーンを学習し、ジャンルや自分のサウンド、あるいは特定のレコードに合わせたカスタムプロファイルを作成し、セッションやプロジェクトをまたいで呼び出すことができます。

読み込んだらあとはプリセットを調整する時と要領は一緒ですね。
まとめ
処理が難しい中域に特化しているのでマスタリングのみならず、ボーカル、コーラストラックや、ギター、ピアノなどでも活躍してくれそうです。
蓋を開けてみたらM/S処理だったのですが、難しいことは考えずに中低域〜中高域までをきれいに整えてもらえる便利ツールだと思って使ってみてはどうでしょうか。
詳細な使い方については、また違う機会にお伝えできればと思います(必要ないくらい慣れれば簡単ですけど)。
次回は音をたっぷりお聞かせしたいと思います。

