第2回:各セクションの概要について
基本に立ち返ってソフトシンセを使用するために知っておきたい基本ポイントを見直す本連載2回目の今回は、Spireがどのようなセクション構成になっているのかをチェックしてみたいと思います。
各セクションの構成について
Spireの基本的な音色作りは、オシレーターから出力される波形をフィルターで音色の調整を行ない、アンプで音量を整えたのちマスター出力から音を出す、というアナログシンセサイザーと同様の構造になっています。それゆえアナログシンセサイザーの音色作りのしくみを理解しておくことで、ほとんどSpireを活用することができます。
ではSpire上のレイアウト全体を見ていきましょう。
主にサウンドメイクを行なうためのパラメーターは図中の黄色の枠線で囲んだ部分で行ないます。
図1
GUI中のレイアウトは2段構成になっていますが、上部左部分がオシレーターセクション。
図2:オシレーターセクションには4基のオシレーター出力のレベルやバランス調整を行なうためのミキサーセクションも含まれている。
その右側がフィルターセクション。
図3:2基のフィルターはシリアル接続、あるいはパラレル接続が必要に応じて選択できる。
更にその右側がエフェクトセクションとなります。図4:エフェクトセクションは、音色作成時においてはどちらかというと補助的なセクションとなる。そのため、ケースバイケースながら元となる音色がある程度作成後に調整すると良い場合が多い。
続いて下部は一番左とその隣の位置にEGやLFO、Stepperやアルペジエーター機能などが切替表示されるモジュレーターセクションが2つ並び、一番右にアンプセクション、というレイアウトです。
図5:下段の左2つでEGやLFOなどの調整を行なう。切替は図中下部のスイッチで行なう。
信号の流れについて
Spireにおいてオシレーターから出力される波形信号の流れは、大まかに下図のような流れになります。
図6
ただし、Spireがデフォルトの設定状態だった場合、オシレーター、フィルター、アンプのみのパラメーターをエディットしただけでは十分なサウンドメイクにはならないので、下段のEGやLFOなどを使用し、各セクションに適宜変調を加えてイメージする音色に整えることが必要です。
今回紹介した各セクションについては、次回よりオシレーターセクションから順番に解説したいと思います。