The Scene【GrandVJ】 Vol.4 ~中目黒の桜はまだ散らぬ!〜

桜は散ってもプロジェクションマッピングは散らず みなさん、今年のお花見はいかがでしたか? 都内近郊にお住いの方は、東京桜スポットの一つ、目黒川へ桜見物に行かれた方も多いかもしれませんね。 満開の頃はもう歩けないほどの人でいっぱいになる目黒川ですが、そのほとりにあるカフェレストラン「シェリールカブレ」では、4月末まで桜をテーマにしたアート展示【HANAMI exhibition】が開催されています。   * HANAMI EXHIBITION * コンセプトは 《アーティストのお花見》 シェリール カブレに集う5人のつくり手とオーナー店長が生み出す想像の”花見”を、お食事やお酒と共にお楽しみくださ…

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【重要】Quick Time for Windowsについて

弊社製品をご使用いただき、誠にありがとうございます。 セキュリティソフトウェア各社より「Quick Time for Windowsの削除を推奨する」旨の報道が出ておりますが、Quick Timeがインストールされていないと製品によっては不具合を起こす可能性がございます。 開発元より正式なアナウンスがあるまでは、ウィルスチェックソフトウェア等でセキュリティを強化いただき、Quick Time for Windowsをご利用ください。 対象製品の状況 ■Serato DJ / Video:Windows版 AACファイル、Apple Losslessファイル、ビデオファイルが再生できなくなりますの…

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Arkaos来日記念インタビュー Marco Hinic with VJ SINO

(2015/11/26)

主に音楽に関わる機材やソフトウェアを扱うディリゲントが、プロジェクションマッピング対応の映像ソフトウェアArKaos GrandVJシリーズの取扱いをしている事について、不思議に思う方もいるかも知れませんね。
GrandVJシリーズは、もともとクラブイベントやコンサートなどで映像のミックスを行うVJ達のために開発されたソフトウェアだったため、その誕生の経緯を考えるとむしろ音楽抜きには語れない製品だったりするんです。

2015年11月、ArKaos創設者であり現CEOのMarco Hinicさんが来日した際、日本人VJのVJ SINOさんを交えた対談形式のインタビューを行いましたので、その辺のArKaosブランド誕生秘話を含めた裏話をご紹介します。

Arkaos CEO Marco Hinic

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Dirigent (以下D):
ArKaosブランドを創立した、一番最初のステップは何だったんですか?

Marco:

23年前、1992年の話なんですが、その頃私は自分で電子音楽をつくっていて、その時に、一つの鍵盤を押すと一つの画像が出てくるような、映像を演奏する「ビジュアルピアノ」的なソフトウェアがあったら面白いと思ったのがきっかけです。
まずは1年ほど掛けてシンプルなアプリケーションを作成して、自分の音楽とともに使用していたところ、回りの友人やそのまた友人達が「これ最高に面白いじゃないか!」と言い出し、本格的にソフトウェアの開発を始めました。
きちんと販売できるソフトウェアになるまではさらに数年掛かりましたが、1996年にベルギーのブリュッセルで展示会に出展した際、「1996年の最も革新的な製品」賞を受賞した事がきっかけで一気に話題となり、正式にArKaos社を設立して販売を始めました。

VJ SINO:

もともと自分で音楽をやっていて、その音楽に映像を加えたいという動機でプログラムを作られたという事ですか?

Marco:

はい、自分の音楽のために作りました。
当時は趣味で電子音楽の制作をしながら、ビデオゲームの開発者として働いていたので、スクリーン表示や映像出力といった、開発に必要な基礎知識を持っていた事はラッキーでしたね。
別々に作った音楽と映像を合わせるのではなく、音楽を作りながら映像を同時に合わせていくという作業は、表現者としての自分にはとても重要だったんです。

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D:
現在では、GrandVJの他にもたくさんのVJソフトウェアがありますが、Marcoさんの考える、GrandVJの強みとは何でしょうか?

Marco:

大きく2つの点があります。

まずは、とにかくシンプルであること。私たちのソフトウェアには非常に多くの複雑なテクノロジーが使われていますが、それは実際にパフォーマンスをするユーザーたちには全く関係の無いことです。

様々なコーデックの映像素材が混在していたり、複数のエフェクトを重ねて使用したり、目まぐるしいスピードで映像を切り替えたり、なんでも思いついたアイデアがすぐに実現できればそれでいいのですから。

d-fun161_3.JPG私たちはテクノロジーを自慢するためにソフトウェアを作っているのではなく、クリエイターやアーティストのアイデアを具現化するためのツールを作っているんです。

もうひとつは、動作の安定性です。

私は根っからのエンジニアですし、ArKaosはソフトウェアの開発会社ですから、動作の安定性というのは他の何よりも重要な要素で、一番こだわっている部分でもあります。

GrandVJが使われているのは、デスクトップPCやノートPC、タブレットPCなどの多様なプラットフォームで、さらにそれぞれが使用される状況も様々です。

どんな環境でも安定して最大限のパフォーマンスで動作するソフトウェアにするために、とても多くの労力を費やしていますね。

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VJ SINO:

もともと他のVJソフトを使用していましたが、初めてGrandVJを使った時は、取説を見ずに30分程度触ってほぼ操作や設定は理解できました。
先日、大規模なHalloweenイベントでVJをしたときは、映像用ではない通常のPCを使ったのに10時間ほどの長丁場でも一度も落ちずに安定してプレイが出来ました、他のソフトではなかなかこうは行きません。どうもありがとうございました。

Marco:

こちらこそ、嬉しい話を聞かせてくれてありがとうございます。

たまに「◯◯搭載でスペックは◯◯以上のパワフルなコンピューターを使う事」のような条件がついているソフトウェアがありますが、そのやり方はGrandVJにはふさわしくありません。
高価な専用PCの使用が前提であれば、もっともっと多くの機能を短期間で追加できるでしょう。
でも私たちは、多くのVJがノートPCを使用していること、デスクトップPCの持込みができるような現場や常に最新のPCを用意できる人はとても少ないことを知っています。

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VJ SINO:

今の話を聞いて、さらに安心しました。「VJ始めたいけど、どうしたらいいの?」というような質問を良くされるので、「とりあえずGrandVJを使ってみれば?」と答えています。

Marco:

これからVJを始める人にとっては、先ほど話した「シンプルさ」の重要性が分かってもらいやすいでしょうね。
難しいテクノロジーは全てGrandVJの裏側に隠してありますから、操作方法を勉強する時間なんかより、ミックスのアイデアであるとか、コンテンツの制作などに多くの時間を費やして欲しいです。

D:
GrandVJがバージョン2になった時に、プロジェクションマッピングに対応した機能拡張版のGrandVJ XTが追加されました。
この大きな進化は、ユーザーからArKaosへの要望だったのか、またはArKaosからユーザーへの提案か、どちらだったんでしょう?

Marco:

これは、我々ArKaosからユーザーへの提案です。実はGrandVJの前身だったArKaos VJというソフトウェアには、すでに簡単なプロジェクションマッピング機能が入っていたんですけどね。
一番最初、画像の切替えをするソフトウェアとしてプロトタイプを作り、画像だけでなく動画のループ素材に対応して、やがてミックス機能がつき、そして複数の映像出力をサポートするなど、順を追って徐々に進化してきました。
常にユーザーやアーティストたちと対話しながら、次に技術的に可能な機能はなんなのか、現場で次に必要とされる機能はどんなものかを考え続けてきた必然的な結果かも知れません。
GrandVJ2の開発にあたっては、既存のGrandVJユーザーがすんなりと移行できるように、プロジェクションマッピングを行うためのVideoMapperというプラグインをGrandVJの操作パネル内に統合する必要がありました。
実は、プログラムの機能的な部分の開発よりも、ユーザーが使いやすいインターフェスにするためのレイアウトデザイン的な作業の方が、遥かに時間と手間がかかっているんです。

VJ SINO:

私は、マッピングを行う際はGrandVJ XTではなく、2つのソフトウェアを併用して行っているんですが、GrandVJ XTを使用している友人達を見ていると、一つのソフトウェア内で作業が完結できる環境というのは、とてもシンプルでセッティングが楽そうだし、うらやましく思っていました。

Marco:

VideoMapperは今後もさまざまな機能が追加されてどんどん進化していきますので、期待してください。

 

(さらに…)

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