説明
176サウンドを忠実に継承、さらに進化した操作性

レシオに応じたニー挙動で繊細なダイナミクスコントロール
オリジナル・ハードウェアの設計を受け継ぎ、2:1、4:1、8:1、12:1の4種類のレシオを搭載。レシオによってニーの位置やカーブが変化し、滑らかなレベル・コントロールから力強いリミッティングまで幅広く対応します。
どの設定においても常に自然で音楽的なコンプレッションを実現。繊細なニュアンスを保ちながらダイナミクスを整え、ミックスに豊かな一体感を与えます。
RC回路と真空管の相互作用による自然なタイミング制御
Relab 176のアタック/リリース特性は、真空管ゲインステージに直結したRC回路によって決定されます。
その挙動は入力信号レベル、トランジェントの大きさ、真空管の非線形特性、さらにはトランスの影響によっても変化します。固定的な数値ではなく、信号の内容に応じて柔軟に変化するのが特徴です。
また、Fixed/Autoスイッチにより、リリースが信号に追従する特性を切り替えることができます。


極性選択でトランジェントを的確にコントロール
Sidechain Polarityコントロールにより、検出回路が波形の正相/負相/両方のどの部分に反応するかを選択できます。これにより、特定のトランジェント成分だけを狙って処理できます。
例えば、キックのアタックだけを抑え、低域のボディはそのまま残したり、ボーカルの破裂音を制御しつつ、全体の存在感は保持したり、といった従来の一律的なコンプレッションでは難しい、精密かつ選択的なトランジェント処理を実現します。
ステージカップリングで選べるサウンドキャラクター
Stage Couplingスイッチにより、可変ゲイン真空管ステージと出力アンプの接続方式を切り替えることができます。
- Transformer:ステージ間にトランスを挟むことで、サブミリ秒レベルの超高速アタックに対応。わずかに持ち上がる“スマイルカーブ”トーンと、引き締まったローエンドを実現します。
- Resistor:抵抗経路を使用することで、やや緩やかなアタックとフラットなトーン、そしてヴィンテージ機材特有の重厚なローエンドを再現します。
いずれのモードもオリジナル回路に基づいた動作で、トランジェント速度・音色傾向・低域表現を用途に応じて選択できます。


バイアス、倍音、スレッショルドを一括コントロール
Calibrationコントロールにより、真空管のバイアスやバランスを調整し、スレッショルド、倍音構成、ダイナミクスの質感を一括でコントロールできます。これはオリジナル・ハードウェアで複数のトリムポットを同時に操作するのに相当します。
- Bias & Balance:6BC8および12AX7真空管の動作点を変化させ、偶数/奇数倍音のバランスや低域の安定性を調整します。
- Threshold Shift:入力レベルを変えずに、コンプレッションの開始点を移動させます。
- Dynamic Response:トランジェントの滑らかさや細かなダイナミクス表現を調整します。
- Tone Shaping:バイアス設定に応じて、音をウォーム/ブライト/タイトといったサウンドキャラクターを変化させます。
単一のノブで音作りの方向性を大きく変えられるうえ、裏面パネルのトリムで細かい調整も可能です。
バイアスとレベルを細かく追い込むアドバンスド・コントロール
Relabロゴをクリックすると、オリジナル機材のハードウェア型トリムポットに相当する詳細パラメーターへアクセスできます。内部調整に近いプロフェッショナルなセッティングを、ソフトウェア上で自在に行えます。
- 6BC8 バイアス
- 6BC8 アノード・バランス
- 12AX7 バイアス
- リファレンスレベル・コントロール
これらの調整により、スレッショルド・倍音のバランス・トランジェント応答・低域の安定性を細かく最適化可能です。実機内部で行うチューニングを忠実に再現しつつ、ソフトウェアならではの柔軟性を活かしたゲインステージングと音作りの自由度を実現します。
