説明
QuantX Natural Resonance Reverb
QuantXは、80年代のナチュラル・レゾナンス・ハードウェア・リバーブを再現した、世界で唯一のデュアルエンジン・マルチアルゴリズム・プレミアム・リバーブです。
サンプル間比較:Quantec QRSとRelab QuantXのリバーブテール減衰サンプル



Quantec QRS vs Relab QuantX
従来の一般的なリバーブ・エミュレーションでは、ハードウェア特有の動的な特性を考慮せず、単に静的なモデルが使用されています。その中で、私たちはLX480の成功を土台に、最先端のAIフレームワークと数百万ものデータ分析を駆使し、ハードウェア特有の動的な音の真髄をかつてない精度で捉えることに成功しました。
QuantXは、単なる音の再現だけでなく、ヴィンテージ機材特有の繊細なニュアンスや絶えず変化するキャラクターまでも徹底的に再現することで、一般的なハードウェア・エミュレーションを凌駕し、リアルで有機的、そして進化し続ける全く新しい体験を可能にします。
* QuantecおよびQRSは、QUANTEC Tontechnik GmbHの商標であり、Relab Development社とは一切関係ございません。これらの他社商標は、本プラグイン開発時に研究した製品のサウンドを示す目的にのみ使用されています。
デュアルエンジン、究極のサウンド
空間の「広がり」も「奥行き」も、思いのままに
QuantXの特徴であるデュアルエンジン設計は、4出力を備えた2つの高性能リバーブシステムを連動させることで、繊細かつ力強い空間表現を実現します。
このシステムにより、リバーブの左右の広がりだけでなく、前後の奥行き感までリアルタイムで自在にコントロール可能。
それぞれ異なる質感を持つ2つのモジュールを自由にミックスできるため、あらゆる楽曲にフィットするリバーブ空間を直感的に作り出すことができます。ミックスの中で埋もれず、それでいて自然に溶け込む理想の響きを実現します。


空間を「楽器」として響かせる、新しいリバーブ体験
一般的なリバーブは、音が壁に反射して戻ってくるまでの時間だけに基づいていますが、QuantXは違います。音が空気を通して伝わる自然な挙動を再現する独自のレゾネーターによって、リアルで息づくような空間を再現します。
QuantXでは、部屋全体を楽器のように活用し、原音と一体化した有機的な響きを創り出すことで、ただ鳴っているだけではない、身体で感じるようなリバーブが得られます。
さらに、1〜100万立方メートルまで選べる7種類のルームサイズと、自在に調整できるファースト・リフレクションにより、繊細な残響から壮大な音場まで、理想の空間を思いのままに作り出せます。
音に奥行きが欲しい。でも濁らせたくない
Enhanceモードは、リバーブの「量」ではなく「質」で空間を演出する、QuantX独自の先進的な機能です。
初期反射だけをピンポイントで捉える仮想マイクを追加したかのように、最小限のリバーブで深みや奥行きを加えながら、通常のリバーブにありがちな濁りやモヤを防ぎます。
「前に出す」「後ろに引く」といった前後の定位を、過剰なリバーブに頼らずに精密にコントロールできるため、音をクリアに保ちながら自然な立体感をプラスできます。

オリジナルハードウェアの限界を超える、次なる一歩を

時代を超えたリバーブを、あなたのスタイルで
QuantXでは、出荷仕様を忠実に再現したクリアで安定したドイツ製ユニットと、年季の入った味わい深いアメリカ製ユニットの2つのリバーブアルゴリズムを自由に切り替え可能。
そして「Temperature Control」ノブを使えば、起動直後の冷たい音色から、72時間使い続けた機材のような温かく深みのあるトーンまで、ハードウェアの「温度変化」をシミュレーションできます。
アメリカ製のアルゴリズムは古いパーツの癖や不安定なクロックを再現し、ドイツ製のアルゴリズムはまるで新品のような安定感と透明感を提供します。2つを切り替えることで、どんなジャンルにもフィットするサウンドスケープを創り出せます。
QuantX 2.0は、リバーブの「今」を創るツールでありながら、「あの頃」の響きまでもリアルに再現できる唯一無二の存在です。
手作業で調整された8ボイス・モジュレーションによる、比類なき奥行きを体験
QuantXには、Relab独自開発のAdvanced Chorus Ensemble(ACE)が搭載されています。8つのボイスから成るモジュレーションによって、リバーブに層のある深みと複雑な音の揺らぎが加わり、サウンドにより豊かな質感をもたらします。
それぞれのボイスは特別なツールで手作業により丁寧にチューニングされ、リバーブの核の部分に組み込まれています。
ノブを回してモジュレーションを加えた瞬間、それが「後から乗せたエフェクト」ではなく、「空間の一部」であるかのような自然なサウンドスケープが得られます。


繊細な帯域コントロールが、リバーブの表情を変える
オリジナル・ハードウェアでは、内部サンプルレートとアナログフィルターの仕様により、周波数帯域が8kHzで自然に減衰していました。
QuantXでは、元のアルゴリズムに基づいた挙動を再現しつつ、この帯域幅を4 kHz〜16 kHzまで自在に調整できるようにしました。単なるローパス処理ではない、計算し尽くされた周波数カーブによって音に深みと個性を加えます。
ロールオフポイントには、音響的に美しいバランスを生む「ルナール数列(Renard Series)」を採用。これは、もしオリジナルの開発者がハードウェアを進化させていたとしたら、きっと選んでいたであろうロジックです。QuantXは、その理想を現実にしました。
ヴィンテージの感触を、デジタルで忠実に再構築
プラグイン上で時間の不完全さを受け入れる
Relab Developmentでは、常に単なるエミュレーションを超越することを目標にしています。ユニットのサウンドだけでなく、その不完全さという独自の要素をも捉えることによって、象徴的なハードウェア機器をデジタルで再現できるよう常に努力しています。
QuantXのために、アメリカ、日本、ドイツから3台の優れたユニットを厳選しました。特にドイツ製のものは、その豊かな音と最小限のノイズで他の2つを凌駕し、エミュレーションの基準となりました。
12か月以上にわたり、骨の折れるほど徹底的なリバースエンジニアリングに取り組み、ベテランエンジニアと協力して、ユニットを1980年代のオリジナルの仕様に復元しました。また、オリジナルの各ユニットをMIDIで制御するための専用インターフェースも構築しました。
この精密性があったからこそ、数か月単位で行われた機械学習による大規模テストが可能となり、ヴィンテージ機材特有の微妙な揺らぎやクセを余すところなく捉えることに成功したのです。
具体的には、温度変化によるクロックの変動など、熱によって引き起こされる挙動の変化を考慮する必要がありました。±3%の安定係数を持つこれらの変動は、リバーブ係数に大きな影響を与え、オリジナルの真の質感を再現するために不可欠でした。


象徴的なレガシーを守るために
ハードウェア特有の音色と予測不能な挙動を再現するには、優れた耳やセンスだけでなく、科学とテクノロジーの力が不可欠です。そこで私たちは、高度な機械学習に着目しました。
次世代の高度なAIフレームワークと広範な研究を用いて、12ヶ月間のプロジェクトを始動。ヴィンテージユニットの真髄をデジタルで甦らせるため、何百万ものデータを収集し、あらゆるパラメータと設定に応じた反応を分析しました。
各セッティングや組み合わせごとに平均10,000回のテストを繰り返し、この厳格なプロセスを7台のコンピューターと3つの異なるハードウェアユニットで実施しました。従来のエミュレーション手法ではほぼ不可能だった挑戦を、このRelabのアプローチとオリジナルへの追及心によって可能にしました。
80年代の伝説的リバーブ、その真髄をダイレクトに体感
QuantXは、ただのリバーブエミュレーション・プラグインではありません。比類なきハードウェアの再現技術によって、まるで実機を手にしたような体験をもたらします。
- あの80年代の名機が生み出す自然な残響をリアルに再現し、現代のトラックにクラシカルな深みを加えることができます。
- パラメーターを動かすたびに伝説のハードウェアならではのサウンドや触り心地を感じられ、その癖まで体感できます。
- その操作性により、創造性を妨げられることはありません。創造性は複雑さによって妨げられるべきではありません。
QuantXを使用すれば、明瞭さと質の高さ、そして確かな存在感を備えた、あなただけのサウンドを作り出すことができます。これによりミックスが一段と際立ち、聴き手の心を掴むことでしょう。
