説明
サウンドサンプル
MicroPitchには、さまざまな楽器や用途で魅力を発揮できる多彩なファクトリープリセットを収録。あらゆる制作シーンで即戦力として使えるよう、ひとつひとつ丁寧に作り込まれています。
MicroPitch | Electric Guitar | Preset: Ethereal Piano Recital
MicroPitch | Vocals | Preset: Vocal Climb
MicroPitch | Drum Loop | Preset: Slurred Synth Slap
MicroPitch | Poly Synth | Preset: Bottomless Drop
MicroPitch | Synth | Preset: Elevator Delay
MicroPitch | Track Loop | Preset: Nicechorus
サウンドに差をつける「秘密の隠し味」
MicroPitchは、実験的なサウンドデザインからライブ・パフォーマンスまで、制作の現場で「即戦力」として機能するよう設計されています。デスクトップはもちろんノートPC環境でも快適に動作するよう最適化され、アイデアを思いついた瞬間に迷いなく使えます。
単なるピッチシフターにとどまらず、Tone/Modulation/Feedbackといったコントロールにより、より深く、より自由な音作りが可能。耳を引くプロダクションテクニックを手軽に取り入れながら、自分だけの個性的な広がりや空間表現を生み出せます。
さらにすべてのパラメーターを解放すれば、リッチに反復するディレイ、厚みのあるモジュレーション、テンポ同期した印象的な特殊効果まで —— MicroPitchの可能性を余すことなく引き出せます。


ライブ・パフォーマンスでの直感的な操作
MicroPitchは、他の「H9 Signature Series」プラグインと同様に、ライブ・シチュエーションで真価を発揮します。
「Ribbon」を使えば、まったく異なる2つの設定の間を滑らかにモーフィング可能。サウンドに艶を与えるスウィートなピッチシフトから、過激なディレイ・スロウへ一気に変化させたり、ディレイの質感をダークからブライトへ移行させたりと、演奏の流れに合わせて表情豊かな動きを加えられます。
さらにMIDIキーボードを接続すれば、モジュレーションホイールでRibbonをコントロール可能。直感的でフィジカルな操作感により、リアルタイム・パフォーマンスの可能性をさらに広げます。
主な機能
- 2ボイス仕様のピッチシフトを搭載。片方は-50セント、もう片方は+50セントまで設定でき、各ボイスに最大2秒のディレイを追加可能
- 定番のステレオ・ワイドニング効果を実現
- 長めのディレイ設定でスラップバック・エコーにも対応
- TONE で、各ボイスの質感をミックスに合わせて細かく調整可能
- PITCH MIX により、2つのピッチシフト・ディレイのバランスを調整しながら重ねられます
- MOD DEPTH / RATE で、各ボイスにコーラス的な揺らぎを付加
- FEEDBACK により、ピッチが落ち込む/せり上がるような効果を作成可能
- わかりやすく直感的なインターフェース
- テンポ同期による個性的なディレイ演出
- MicroPitchの代表的な使い方を再現したプリセットを収録
- RIBBON で、複数設定間をリアルタイムに滑らかにモーフィング可能
- MIXLOCK により、ウェット/ドライのバランスを保ったままプリセット比較が可能
- Mac/PCではVST、AAX、AUに対応
MicroPitchが受け継ぐ、誇り高きレガシー
H910 Harmonizer®

Eventideのマイクロピッチ・エフェクトは、1970年代初頭に登場した世界初のデジタル・オーディオ・エフェクト機「H910 Harmonizer®」の開発過程で、ある種の「偶然」から生まれました。当時のH910は、A/Dコンバーターやサンプルレート規格、DSPアルゴリズムが現在のように整う以前に設計された機材で、システムクロックには水晶発振ではなくLC発振回路を採用していました。わずかに不安定なその挙動により、出力されるピッチ比が微細に揺れ動く —— その現象こそが、のちに伝説となるサウンドの源だったのです。
H910の初期のユーザー、とりわけ実機を2台導入できるほど資金力のあるトップ・スタジオは、ある魔法のような手法を発見しました。1台目のH910のピッチレシオを「0.99〜1.00」の間で揺らぐように設定し、もう1台を「1.00〜1.01」の間で揺らぐように調整することで、極めてリッチで広がりのあるステレオ効果が得られたのです。さらに、デヴィッド・ボウイやブライアン・イーノの歴史的作品「Low」に携わったトニー・ヴィスコンティのような先駆的エンジニアたちは、微細なピッチ変化にショートディレイとフィードバックを組み合わせることで、まったく新しいエキサイティングなサウンド —— 「Pitch Dive!(ピッチ・ダイブ)」を生み出せることを見いだしました。
H949 Harmonizer

1970年代半ばに登場したEventideの第2世代Harmonizer 「H949」は、極めて安定した水晶発振器を搭載することで、H910が生み出していたランダムな揺らぎを、コントロール可能な表現へと進化させました。H949は、デジタル・オーディオの恩恵による数々の新機能 —— リバース・エフェクト、デグリッチ、そして「u PC」(「u」はエンジニア用語で「マイクロ」の意) —— を搭載し、このマイクロピッチという新しいエフェクトを、プロ・オーディオの共通言語として正式に確立させました。またH949は、初期のデジタル・オーディオ機器でありながら100%DSP/CPUフリーという特異な設計を持ち、回路の大部分はアナログで構成されていました。さらに、ピッチの微細かつ正確なズレを実現するために、無線通信技術として知られる「単側波帯変調(SSB)」が応用されていた点も特筆すべきポイントです。
その後、DSPをベースとした「Eventide H3000 Harmonizer®」の登場によってMicroPitchエフェクトはさらなる進化を遂げ、世界中のオーディオ・プロフェッショナルやアーティストたちにとって絶対に欠かせない定番ツールとなりました。そして今日の「MicroPitch」プラグインは、この根源的なエフェクトのポテンシャルを永遠に拡張し続けるという、Eventideの長く偉大な伝統を脈々と受け継いでいるのです。


