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ハードウェアシンセサイザーを活用するためのMIDI知識 vol.1

ソフトウェアシンセサイザーが普及し、曲作りなどで当たり前のように使っている今日この頃ですが、直接本体を感覚で操作できたり、製品固有のサウンドを持つハードウェアシンセサイザーならではのメリットは捨てがたいモノがあります。

とはいえ、USBなどを介して接続できる機器が主流となっている今日の制作環境では、そのメリットを活かすことが難しいケースが多々あります。

そこで、役に立つのがESIから発売されているMIDIインターフェースシリーズです。

各製品は、入出力数や機能が異なっており、用途に応じて選べますが、いずれもパソコンとインターフェースはUSB端子で、MIDI機器とインターフェースはMIDI端子で接続して使用するのが共通の特徴です。

さて、MIDI規格は誕生して今年で38年です。

MIDI登場当時に比べて曲作りやシンセサイザーなどを使用する場面においてMIDIということを意識しなくても扱いやすくなっていることから、MIDIという言葉は知っていても実際にはよくわからないという人は意外と多いように思います。

本連載では、ESIの各製品をピックアップし、それらを使いこなすために知っておくと役に立つMIDIの知識を解説していきましょう。

ESI MIDIインターフェースのラインナップについて

まずはESIのMIDIインターフェース製品ラインナップを紹介しましょう。ユーザーの用途や環境に合わせた以下の5モデルが用意されています。

MIDIMATE eX

シンプルなケーブルタイプのUSB 2.0 MIDIインターフェース。2つのMIDI端子は、1 IN / 1 OUT、0 IN / 2 OUT、2 IN / 0 OUTなど用途に応じて使い分け可能(2020年1月10日発売)。

M4U eX

コンパクトなUSB 3.0 MIDIインターフェース。8個のMIDIポートを装備し、4 IN / 4 OUT、1 IN / 7 OUT、0 IN / 8 OUTなどの使い分けが可能(近日発売予定)。

M8U eX

16個のMIDIポートを備えたUSB 3.0 MIDIインターフェース。フロントとリアそれぞれに8個ずつのMIDIポートを装備し、様々なMIDIルーティングが設定可能。ハードウェアの音源モジュールを多用するユーザーにオススメ(近日発売予定)。

mikroTHRU

同じMIDI出力を4つのMIDIデバイスに送信可能なコンパクトボディのスルーボックス(発売日未定)。

mikroMERGE

前述のmikroTHRUとは逆に4系統の異なるMIDI信号で1つのMIDIデバイスをコントロールしたい場合に重宝するコンパクトボディのマージボックス(発売日未定)。

ちなみにM4U eXとM8U eXにはUSBハブ機能も装備しており、ここには各種ドングルキーやMIDIキーボードなどが接続できるのもユニークな特徴です。

次回から各モデルごとにその活用法などを紹介したいと思います。

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。