今回は曲作りにおいて使用頻度が比較的高いストリングス音色にフォーカスしたサウンドメイクについて解説したいと思います。
ストリングスは音色的に作りやすいのですが、それだけに独自性を持たせるのも難しい面もありますが、筆者なりのサウンドメイクの着眼点を紹介していきましょう。
<デモサウンド>
今回作成した音色のデモサウンドです。ストリングスのサウンドをゴージャスに聴かせたい場合には、デモのように低域から高域まで使用したオープンボイシングで演奏すると一層効果的です。
初期状態からのサウンドメイクのススメ
ストリングスは、クラシックからJ-POP、ロック、EDMに至るまで幅広いジャンルで使用される音色です。Spireのプリセットにもストリングス系音色がいくつか用意されていますが、時にはプリセットに用意されていないタイプの音色が必要になることはしばしばあります。例えば以前の連載で紹介していたようなチョイ足しエディットで事足りない場合には初期状態から作ってみるのも良いでしょう。特にストリングスの音色は、極端に言えばシンセ波形でノコギリ波を選んで、アタックとリリースを調整するだけでも原型を作れるため、やってみると意外な発見や閃きも得られると思います。
オシレータの設定
ストリングスの音色は、ジャンルにもよりますがアンサンブル音色を使用する機会が多いと思います。Spireでアンサンブル感を出すにはオシレータを多く使用するのに加えて、ユニゾンデチューンを効果的に使用するのがポイントとなります。
今回は4基のオシレータを全て使用し、かつ、ユニゾンデチューンの設定をして、重厚なサウンドになるように調整しています。
オシレータはクラシックモードを4基ともに使用し、オシレータ1から3はノコギリ波に設定していますが、オシレータ4のみオクターブレンジを1オクターブ上に設定し、少し波形を変化させています。
また、ユニゾンデチューンの設定は各図のようにそれぞれ4ボイスのユニゾンに設定し、detuneとdensityの設定を意図的に異なる値にすることで複雑なチューニングの揺れによるコーラス効果を加えています。
今回のユニゾン設定は、それぞれのユニゾンボイス数を同じ数にしていますが、好みでそれぞれのユニゾンボイス数を変えてみるのも良いでしょう。
<音色データ>
今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「Destructive_Strings.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Destructive Strings.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。
- Destructive Strings(約1KB)