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Spireでゼロからのサウンドメイク vol.16

シンセパッド音色というと、コード感を補強したり、サウンドに厚みを加えるために使用することが多く、音色的にはシンプルな設定の方が重宝する場合が多いのですが、それとは逆の1パートでも存在感のあるシンセパッドも今日ではよく使用されます。

今回はシンセパッドの音色作りにこだわってみたいと思います。

今回の作成音色を読み込んだメイン画面

まずはオシレータの設定から見ていきましょう。

<デモサウンド>

今回作成したパッド音色のデモサウンドです。作成した音色は、
幅広い音域において単音でも和音でも演奏して使える音色を意図して
調整していますので、色々なアプローチができるでしょう。

各オシレータ設定のポイント

作成例のシンセパッドは、4基のオシレータ全てを使用し、また、重厚感あるリッチなサウンドを出すためにSpireに装備されているユニゾン機能なども活用しています。Spireでパッド系などを作成する際には、厚みを得る方法としてユニゾン機能を積極的に活用すると良いでしょう。各オシレータ設定は以下のとおりです。

  • オシレータ1:Hard FMモードを使用し、Ctrl AノブをLFO 1、Ctrl BノブをLFO 2で変調させ、ウェーブテーブルシンセのような音色変化を持たせています。

    上から順にそれぞれ「オシレータ1の設定」「LFO 1の設定」「LFO 2の設定画面」

  • オシレータ2:Vowelモードを使用し、ボイス風のテイストを持ったサウンドとなるように設定しています。Ctrl AノブをLFO 3で変調してうねりを持たせ、周期的にサウンドが変化するように設定しています。

    上から順にそれぞれ「オシレータ2の設定」「LFO 3の設定画面」

  • オシレータ3:オシレータ1と同様にHard FMモードを異なる波形に設定し、オクターブレンジを2オクターブアップさせ、Ctrl BノブをLFO 4で変調しています。

    上から順にそれぞれ「オシレータ3の設定」「LFO 4の設定画面」

  • オシレータ4:音色全体の厚みや質感を整える役割を持ったサウンドを作成するため、クラシックモードのノコギリ波形を選択しています。

    オシレータ4の設定画面

ユニゾン機能を活用する

ユニゾン機能を使用することで各オシレータを同時に複数のボイスで発音させることができるため、デチューン設定を行うことによって広がりや厚みなどを得ることができます。今回の音色のようにパッドサウンドやストリングス系の音色などを作成する際には積極的に活用したいところです。

Spireの場合には、ユニゾンさせるボイス数だけでなく、それらのボイスの音程も設定できるため、設定次第では単音でもコードの響きを持った音色も作成できます。

各オシレータのボイス数の設定は、オシレータ1から3を4ボイス、オシレータ4のみ8ボイスに設定し、日本語マニュアルでは拡声設定と説明されている音程設定は、オシレータ1:1オクターブ(=通常設定)、オシレータ2:Perfect5(完全5度)、オシレータ3:3オクターブ、オシレータ4:2オクターブという設定にしています。ここではオシレータ2を完全5度音程に設定し、音色全体の倍音構成にクセをつけ、独特のサウンドに仕立てているのがポイントとなります。

オシレータ2のユニゾン設定の状態

ユニゾン機能を使用する際の留意点としては、音色自体の厚みや広がりは、必ずしもボイス数に比例して大きくなるとは言えない場合があります。そのため、やみくもにボイス数を増やしても音量が大きくなるだけで、意図する効果が出ない場合も多々あるでしょう。その際は、ボイス数を徐々に増やしながらデチューン設定を調整して、意図するサウンドに仕立てていくのがベターです。

さて、オシレータ設定においては、各オシレータでフィルターインプットを設定していますが、これについては次回のフィルター周りの設定と共に解説したいと思います。

<音色データ>

今回作成してるサウンドのプリセット・データ(音色データ)です。
以下のリンクをクリックしてダウンロードされる「MotionPad.spf_.zip」ファイルを解凍後、現れた「Motion Pad.spf」ファイルを、SpireのLoad Presetから読み込みます。