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Vertigo マスターガイド 〜 アディティブシンセのアクティブ活用術 〜 vol.2

さて、実際にVertigoのプリセット音色をチョイ足し感覚でエディットしていきましょう。

今回からVertigoのパラメータレイアウトを確かめつつ、機能を確認していくということで、各部の機能チェックを兼ねて進めてみたいと思います。

まずはエフェクトを変更する手順を紹介しましょう。

プリセット音色のエフェクトを変更するには?

Vertigoをインストールすると、ファクトリープリセット音色が用意されていますので、これらを一通りチェックしてみると音色が複雑に変化するものが多いことに気がつくと思います。

もちろん、シンセ自体の音色の設定による部分は大きいのですが、それ以上にエフェクトを使用してサウンドの世界観を表現しているものがあるので、エフェクトの設定を変えるだけでサウンドのイメージが変わります。

例えば、ファクトリープリセットのKEYカテゴリーにある“ SynthViolin ”は、独特のスペイシーな雰囲気のあるサウンドで、残響をディレイで付加しています。

シンプルなシーケンスフレーズのような場合にはディレイは非常に効果的なのですが、タイトな曲調だと、ディレイ成分がビート感を損ねてしまい、ぼんやりとしたサウンドになる場合があります。

このような空気感を変えたい場合にはエフェクトをディレイからリバーブに変更すると良いでしょう。

ファクトリープリセット“ KEY:SynthViolin ”エディット前の状態。

ファクトリープリセット“ KEY:SynthViolin ”エディット後の状態。今回エフェクト以外は何も変更していない。

リリース後のサウンドがディレイの場合に比べてスッキリとした余韻になることがわかると思います。

エディットの手順としては、EFFECTSセクションでDelayの文字部分の左にあるボタンをオフにして、Reverbをオンにします。

黄色で囲んだ部分に配置されているボタンがエフェクトのオンオフボタンとなる。

Reverbのパラメータを調整するにはオンオフボタンの左にある四角いボタンをクリックするとパラメータが表示されます。

黄色で囲んだ部分に配置されているボタンでエフェクトのパラメータを表示させる。ちなみにオンオフを切り替えた際にそのエフェクトのパラメータが表示されるが、任意のエフェクトのパラメータを表示させたい場合などにはここをクリックする。


内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。