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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.20

今回はSpireのエンベロープジェネレータ(以下、EG)について解説していきますが、特にスロープタイムとスロープレベルはどのように設定するのかについて解説したいと思います。

6ポイントをどのように使うか

6ポイントのパラメータ中、ATT(アタック)、DEC(ディケイ)、SUS (サスティン)、REL(リリース)は一般的なシンセサイザーと同様の役割になっています。また、後述のSLT(スロープタイム)の値が0の場合、SLL(スロープレベル)が反映されませんので、基本的な時間的変化はA、D、S、Rのみで設定することができます。

ENVセクションの初期設定状態。黄色の枠線で囲んである部分がSLTとSLLのパラメータ。

イニシャライズされた状態から音色を作成する場合、ADSRのみで基本的な変化を作っておくと後々の細部のエディットが進めやすくなります。プリセット音色をエディットする場合に各ENVの設定でSLT の値が0であれば、概ねADSRの部分を調整するだけでチョイ足しエディットができる、と覚えておくと良いでしょう。

スロープタイムとスロープレベル

続いてADSR以外のSLT(スロープタイム)とSLL(スロープレベル)はどのように活用するか解説しましょう。SLTはSUSからSLLに減衰する時間、SLLはSUSの終了後にサウンドが持続するレベルとなっていますので、セオリー通りに設定すると“図20_02”のような音の変化が設定できます。

SpireのEGで設定できる時間的変化の例。赤枠で囲んだ部分がSLTとSLLで設定可能となる部分。

これはSUSよりもSLLが小さい値になる場合の設定例ですので、SLLがSUSよりも大きくなる設定もできます。実際にシンセリード系音色を例によるデモサウンドでどのように変わるかを聴き比べてみてください。
音色変化がわかりやすいようにフィルターのカットオフ1を変化させるEG設定にしています。

デモサウンドについて

デモサウンドでは、ADSRのみの設定、SLLがSUSより小さい設定、SLLがSUSより大きい設定の違いを聴き比べるためにシンセリードパートのみを変更しています。尚、バックトラックのキック、ハイハット、シンセベースは全てSpireを使用し、シンセベースのコンプを使ったサイドチェーンによるダッキングはFabFilterのC1を使用しています。各デモサウンドの設定は以下の通りです。

● tips_020_ADSR:SLT=0、SLL=0に設定した際の音色変化。

SLTとSLLがそれぞれ0なので、ADSR型の時間的変化となる。SUS以降の音色変化は特に生じていない。

● tips_020_ADSSSR_01:SLT=500、SLL=0に設定した際の音色変化。

音の鳴り始め部分は上の「tips_020_ADSR」の設定と同様の変化をするが、ADSR型の変化に比べて後半は音色が徐々に丸いサウンドになり、あたかも音が消えたようなサウンドになる。

● tips_020_ADSSSR_02:SLT=500、SLL=700に設定した際の音色変化。

SUSよりもSLLの値の方が大きいと、デモサウンドのように音色がスウィープして明るくなっていく変化となる。このようにSLTとSLLを応用すると2回アタックを持ったような音色変化を設定することが可能だ。