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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.15

今回は前回に引き続きアナログシンセ波形について説明しましょう。

Spireでアナログシンセ波形を得るには?(後編)

前回はオシレータをクラシックモードに設定してノコギリ波と矩形波、パルス波を得る方法を紹介しました。

アナログシンセサイザーにおいては、PWM波というパルス波を変調して更にバリエーションを得られるものが多いのですが、Spireでも同様の効果を得ることができます。
PWM波はPulse Width Modulation(パルス・ワイズ・モジュレーション)波のことで、LFOやエンベロープジェネレータを使用して波形自体を変調したものです。

SpireでPWM波を得るには、ctrl Aノブで矩形波にした後、ctrl BノブをLFO、あるいはエンベロープジェネレータで変調されるように設定しましょう。
LFOで変調する場合の設定は、図1のようにソースの割当先にオシレータ1のctrl Bを指定し、amtノブでかかり具合の強さを調整します。

ここではLFOによるPW変調を行っているが、エンベロープジェネレータで変調したい場合には任意のエンベロープジェネレータを選び、LFOと同様にソースの割当先にオシレータ1のctrl Bを指定し、amtノブでかかり具合の強さを調整すればよい。

また、rateとampでLFOの速さやLFO波形の振幅レベルを調整することで、変化のバリエーションを得ることが可能です。

rateとamp以外のパラメータもエディットを行うと更に複雑な波形変化を得ることができるので、試してみると良いだろう。

ちなみにSpireの場合はSawPWMモードがありますが、これはSpire独自の機能のため、オーソドックスなPWM波形とはニュアンスが異なります。

アナログシンセサイザー波形というとサイン波や三角波を装備しているものもあります。
SpireではWAVEにそれらの波形が用意されていますので、リストからサイン波あるいは三角波を選び、wt mixノブを右側に回し切るとWAVEで選んだ波形のみのバランスで出力されます。


サイン波を選択した状態。

三角波を選択した状態。

ここで選択する波形はオシレータモードに関わらず選ぶことができるのですが、選んだモードによって得られるサウンドが異なります。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。