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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.5

前回に続き、今回もPluck系のプリセットの中からチョイスして、チョイ足しエディットしてみたいと思います。

Factory 73番の「Chippy」にチョイ足し

73番のChippyは、音程感のあるワンショット系のプリセットで、このままでも十分効果音として使うこともできますが、ピッチの変化をチョイ足しして、より効果音的なサウンドにしてみましょう。


プリセット73番を選択した状態。

このプリセットではENV3が未使用状態なので、これを使います。
ENV3をピッチの時間的な変化を設定するパラメータとして設定するには図2のようにオシレータ1とオシレータ2のピッチを割り当てて、amt(アマウント)ノブを調整してその変調の深さを調整します。


オシレータ2をエディットした状態。枠線で囲んだ部分が設定のポイントとなる。

これはSpireでサウンドメイキングを行う際のポイントともいえることですが、Spireの4つのエンベロープは各々で2つのパラメータを割り当てることができるという仕様なので、同じ時間的な変化をさせたいパラメータが2個ある場合には変調するパラメータを設定するだけで、変調加減を調整できます。しかもamtノブのセンターを中心に右側に回すと正相変化の強さ、左側に回すと逆相変化の強さを調整できますから、図のようにオシレータ1は高い音程から低い音程にピッチが下がる変化をさせつつ、オシレータ2では低い音程から高い音程にピッチが上がっていく変化をENV3の設定だけで行えます。

チョイ足しの効果を実際にご確認ください。

サンプル:Before(プリセットを未エディットの状態で演奏した状態)

サンプル:After(エディットによって複雑なピッチ変化を加えた状態のフレーズデモ)

効果音制作の場合には、ピッチの激しい変化や複雑な変化を設定したいことは良くありますが、Spireではそれらの設定も容易に行うことができると言えるでしょう。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

Mixcraft Pro Studio 7

シンプルかつパワフルなマルチトラック・レコーディング・ワークステーション

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内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。