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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.4

Spireは個性的なPluckサウンドに特徴がありますが、今回はプリセットの中からPluck系のものをチョイスして、チョイ足しエディットしてみたいと思います。

Factory 70番の「Crystal」にチョイ足し

FM変調を使用した金属的なアタックを持ちつつ、透明感あるこのプリセットは単体でフレーズを演奏するのに最適ですが、和音的な演奏をした場合にはもう少し厚みが欲しくなる場合があります。


プリセットを選択した状態。まだ何もエディットを行っていない。

このような場合は、使われていないオシレータで、その要素を加えることで、最適なサウンド(ここでは厚みを持たせたサウンド)に仕上げることができます。
ここでは、オシレータ2をFMモードを選び、サイン波を少し変化させた波形を作成して、プリセットで設定しているオシレータ1のサウンドにレイヤーしています。


オシレータ2をエディットした状態。枠線で囲んだ部分が設定のポイントとなる。

オシレータ2のサウンド自体はオシレータ1と似たようなサウンドにしていますので、元々の状態よりも少し厚みが加わった感じに聴こえると思います。
チョイ足しエディットのポイントはオシレータ2のミックスレベルのさじ加減です。元のアタック感を活かしたい場合にはオシレータ1よりも小さいレベルに、サウンドの厚みを出したい場合にはオシレータ2を1よりも気持ち大きめにすると良いでしょう。これだけでも使用しているオシレータは2つですので、更に凝ったサウンドを作りたい場合にはオシレータ3と4で更にサウンドを足していくという方法もアリでしょう。また、FXセクションでShaper/Decimatorのdriveとdry/wetバランスを適宜調整するとEDM系のサウンドの中でも引き立つワイルドさを加えることができます。


Shaper/Decimatorで歪を加える場合は、気持ち控えめにするのがポイントとなる。

チョイ足しの効果を実際にご確認ください。

サンプル:Before(エディットを行っていないプリセットの状態でのフレーズデモ)

サンプル:After(エディット後の状態のフレーズデモ)

次回も、Pluck系プリセットのチョイ足しエディットを行ってみます。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

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シンプルかつパワフルなマルチトラック・レコーディング・ワークステーション

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内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。