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Spireのプリセットサウンドを更に良くするチョイ足しエディット術 vol.2

前回はSpireのプリセットを活用したドラムトラック作りの概要を紹介しましたが、今回はキックとスネアで行ったエディットのポイントについて補足解説したいと思います。

キックのエディット

キックの音色においてはENV1が全体の音量変化、ENV3がピッチ変化に割り当てられており、この設定でキックサウンド全体を形作っています。
特にENV3を変化させると、ピッチの変化幅が大きいシンセタム的なサウンドからTR-909的なキックのアタック感まで表現することができますから、キック音色に少しクセをつけたい場合にはここを調整するのがポイントとなります。

また、キックの音圧感を増すためにコンプを使うことが多いのですが、Master Outセクションに内蔵されているx-compを好みのサウンドになるように調整し、最終的な質感を3バンドEQで適宜調整すると良いでしょう。

スネアのエディット

スネアの場合は、ズバリENV2の調整がカギとなります。ENV2のディケイタイムを変化させると、スネアのスナッピー的なサウンドの質感が大きく変化し、それと共にリリースも長くなるため、残響感も変化していきます。
ディケイタイムの調整で好みのサウンドになったら、Master Outセクションの3バンドEQでキック同様に調整します。ここではBoostをオンにして調整すると全体的にハリのあるサウンドに仕上げることができます。

ちなみに他のドラム音色を割り当てたトラックでも同様ですが、ドラムセットを構成する打楽器の一つとして、他のドラム音色とのバランスを調整する際は、マスターセクションのVolumeで行っています。

次回はハイハットとクラップのポイントを紹介しましょう。


Reveal Sound SPIRE

Spire

ポリフォニック・シンセサイザー

Mixcraft Pro Studio 7

シンプルかつパワフルなマルチトラック・レコーディング・ワークステーション

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内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。