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【連載】READY 2 HUNT YOUR TRACKS! Predator2徹底解説!!Vol.10

RobPapen社最新キラーシンセサイザー、Predator2の解説を行っている本連載。

前回はMulti-PageからARP(アルペジエイター/ステップシーケンス)の詳細について紹介しました。

10回目の今回はMulti-Pageの残り2ページのうち、ADV/CHORDページの詳細を紹介します。

これまでの記事は以下のリンク先も合わせてご参照ください。

【連載もくじ】READY 2 HUNT YOUR TRACKS! Predator2徹底解説!!

と、その前にPlay Modeセクションの詳細から

ADV/CHORDページはこのような見た目のページです。

ADVANCEとCHORDで左右に分かれたシンプルなページですね。

それぞれ機能自体はPredator1の時もありましたが、CHORDの仕様が大きく変更されています。

Predator1のADVANCEとCHORDはPLAY MODEと一緒に表示されていました。

Predator1のCHORDPredator1のコード機能はとてもシンプルなもので、CHORDメニューをクリックして表示されるメニューから、Learnを選択した状態でコードを入力すると、そのコードを覚えて、Playモードに変更すると指一本で演奏したノートをルートに、Learnで覚えさせたコードを演奏するようになるというものでしたが、Predator2ではLearnが廃止され、CHORDページで編集するように変更されたのですね。

CHORD機能を使用する準備として、まずはPLAY MODEセクションのCHORDを有効にします。

ついでなので先にPLAY MODEのメニューを紹介します。

Play Mode

PLAY MODE:以下の4種類から選択します

Poly:ポリフォニックモード。最大16ポリ
Mono:モノフォニックモード。エンベロープ等はノート毎にリトリガーされる
Legato:モノフォニックモード。レガート入力を続ける間、エンベロープ等はリトリガーされない
Arp(Arpeggiator):ARPページのアルペジエイターを使用する

PORT:ノブを操作してポルタメントタイムを調整、プルダウンメニューでポルタメントモードを選択します

None:ポルタメントノブの位置に関わりなくポルタメントを使用しない
Constant Rate:一定のレートで次のノートにピッチを変更する。ノート同士のレンジが広い程、ピッチ変更に時間が掛かる
Constant Time:ノート同士のレンジに関係なく常に一定の時間でピッチ変更する
Held Rate:Constant Rateと同じ動作をレガート入力した場合にのみ行う
Held TimeConstant Timeと同じ動作をレガート入力した場合にのみ行う

CHORD:offと2〜8の数字から選択します。数字はChordモードで使用するノートの数です。詳細はCHORDページの項目を参照

STRUM:CHORDモード使用時に各ノートのストラムタイムを調整します。Syncを有効にすると音符単位、Syncが無効でミリ秒単位で最長16秒強

※ストラムはハープやギターのようにコードの構成音をポロロロ〜ンとする機能です。

UNISON MODE:以下の種類からユニゾンのモードを選択します

off:ユニゾンを使用しません
2〜6:ユニゾンで使用するボイス数を選択します
2oct:1オクターブ下のサウンドを追加します
3oct:上下1オクターブずつのサウンドを追加します
2SP:1オクターブ下のサウンドを追加します
3SP:上下1オクターブずつのサウンドを追加します
※octとSPはSPREADを上げた場合の配置が異なります
2CL〜6CL:Predator1のClassic Unison Mode。ユニゾンで使用されている数が同時発音数に数えられます。他のモードではユニゾンの数に関係なく最大16音同時発音可能
DETUNE:ユニゾンで追加されるサウンドのデチューン量を調整し、自然なコーラス効果を与えます
SPREAD:ユニゾンサウンドをステレオ配置し、左右の広がりを調整します
DELAY:各ユニゾンサウンドの発音タイミングを調整します。CLモードのいずれかを選択した時のみ表示されます

コードの設定とストラムでポロロン

Play ModeのCHORDを選択すると、選択した数に応じてADV/CHORDページのCHORDメニューが有効になります。

CHORDモードを有効

上の画像はPlay ModeのCHORDで4を選択している時のもので、Pitchがすべて0、PanはC(センター)になっています。

この状態でノートを演奏すると4つ同じ音のコードが発音します。というか、4ボイスのユニゾンですね。

PitchとPanはそれぞれ上下にドラッグすることで調整可能で、Pitchの調整幅は上下最大36セミトーンで1番目のノートはルートなので変更不可。

なので、例えばこのようにセットしてC3のキーを入力したとします。

CHORDを有効

ルートは0なのでC3。
2番目は-5なので、C3から5セミトーン下がってG2。
3番目は4なので、C3から4セミトーン上がってE3。
4番目は7なので、C3から7セミトーン上がってG3というコードが演奏されることになります。

コードを設定すると指一本でコードを演奏できるようになりますが、この状態からPlay ModeのSTRUMの値を上げていくと、ノートナンバーの順(左から順番)にポロロロ〜ンとなります。

リリース長めのサウンドでストラムをゆっくりめに設定するとそれっぽいサウンドになりますよ!

せっかくなので動画でご覧ください。

手弾きやピアノロールで入力しようとするとタイミングが難しいところですが、STRUMなら感覚でノブを調整するだけなので楽ちんですね!

Predator2は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして自分の環境で試すことができます。
興味を持ってくれた方は実際にPredator2を触って試してみてくださいね!

Predator1から引き継がれたADVANCEDメニュー

ADV/CHORDページ左側はADVANCEDメニュー。

ADVANCED

これらの機能はPredator1から引き継いで変更なしなので、サラッと紹介だけ。

SHAPE:エンベロープを操作する際のカーブをAttack、Decay/Releaseを独立して、Velocityカーブも個別に調整します。12時方向でリニア、左方向に行くに従って立ち上がりは遅く、右方向では立ち上がりの早いカーブになります。

Analog Drift:ヴィンテージシンセに特有な、わずかな揺れや不正確さをシミュレートします。

デフォルトでは20%に設定され、値を上げるにつれて揺れや不正確さが増していきます。

この設定はグローバルではなく、各プリセット毎に保存されます。

それでは今回はこの辺で。
また次回。