Top > チュートリアル > 【連載】FabFilterでグイグイ行きましょう!vol.23
FabFilter連載大バナー

【連載】FabFilterでグイグイ行きましょう!vol.23

先日FabFilter Proシリーズの機能改善や問題の修正を含むアップデータが公開されました。

アップデート情報はこちら

アップデート内容の多くはバグの修正などでしたが、Pro-Q2は主にEQ MatchとSpectrum Grab、グラフィック上での周波数表示に関する3種類の機能改善が含まれていました。

FabFilter ProシリーズはHelpメニューでShow Interactive Help Hintが有効になっていると、GUI上のノブなどにカーソルを合わせると機能解説のテキストがポップアップします。

ですが、このポップアップテキストは英語のみなので、人によってはどこが改善されたので気が付かない場合があるかも知れません。

そこで、FabFilter製品不定期連載と化した本連載で少し詳しく取り上げてみたいと思います。

EQ Matchの機能改善

AnalyzerメニューからEQ Matchボタンをクリックするとこのようなメニューがポップアップします。

EQ Match

アップデート以前のEQ Matchと比べると表示が少し変わっていますね。

以前のEQ Match

パッと見て中央にReferenceというプルダウンメニューが追加されているのが見えます。

クリックしてみるとこのようなプルダウンメニューが開きます。

Referencesメニュー

EQ Matchに使用する信号をInputとSide Chainから選択しますが、最下段にSave Input As Reference Spectrumというメニューが見えます。

以前のバージョンのEQ MatchはInputまたはSide Chainからの信号を解析して、現在のトラックに解析したEQを適用するというものでしたが、今回のアップデートではEQ Matchの結果をセーブできるようになりました。

EQ Matchの適用後、Save Input As Reference Spectrumをクリックするとフォルダが開くので、名称をつけてセーブしておくと、EQ Matchメニューからいつでも呼び出せるようになります。

そもそもEQ Matchってなんぞ?という人のために使い方を簡単に書いておきます。

1.
ご使用のDAWで、Pro-Q2を起動するトラックと、参照元となるトラックを作成します。

2.
レコーディングまたはインポートなどでそれぞれのトラックにオーディオ素材を用意します。

3.
Pro-Q2に参照元となるトラックのオーディオ信号を受け渡すようにサイドチェインの設定をします。

4.
2つのトラックが再生されている状態でPro-Q2のAnalyzerメニューからEQ Matchを開きます。

5.
ReferenceメニューでSide Chainを選択し、参照元トラックの参考にしたいポイントでReferenceメニュー右のRecボタンをクリックします。

6.
参考にしたい範囲で一時停止に表示の変わった同じボタンをクリックします。

7.
Match>ボタンをクリックするとGUIに解析結果のEQポイントが表示され、EQ Matchメニューも変化します。

微調整からFinish

8.
中央のスライダーを左右にドラッグして、追加されるEQポイント数を選択します。
増やすとより詳細に、減らすとEQ解析結果とかけ離れていくことになります。

9.
調整が終了したらFinishボタンをクリックしてEQ Matchを適用します。

EQ Matchはかなり驚きの精度で参照先のトラックのサウンドをPro-Q2を起動したトラックに再現しますが、もちろんそれはEQの調整で行える範囲内の話なので、例えばドラムのトラック同士で、リファレンスにハイハットが入っていてPro-Q2を起動したトラックには入っていなかった場合、その帯域を強調しても元から入っていないサウンドは生まれて来ないので注意が必要ですね。

それにしても、『あの曲みたいなサウンドにしたいな』や、『あのフレーズみたいなサウンドにしたいな』という時に、その曲やそのフレーズをリファレンスにしてEQを解析して自分のトラックに適用できるというのはある意味究極のプリセットだと思います。

Pro-Q2をお持ちでない方もデモバージョンをインストールして実際に自分の環境で試せるようになっていますので、興味がある人がいたら製品ページからダウンロードして是非試してみてください。

Pro-Q2製品ページ

Pro-Q2のサウンドクオリティはもちろんですが、初めてEQ Matchを使ってみた時の驚きっぷりはかなりのものだと思いますよ!

Permanent Spectrum Grabモードの追加

続いてSpectrum Grabモードに追加された機能。

Permanent Spectrum Grabモードという機能が追加されました。

まずはSpectrum GrabモードをAnalyzerメニューのEQ Matchの左にあるアイコンで有効にします。

Spectrum Grabモード

Spectrum Grabモードが有効になっている場合、Spectrumに数秒カーソルを合わせておくと表示が紫色になり、ピークが白いラインに変わります。

この白いラインを直接ドラッグして感覚的にEQの調整を行えるという便利な機能なのですが、一度調整を行ったり、誤ってライン以外の場所に触れてしまうと解除されてしまいます。

これを解消するために、Permanent Spectrum Grabという機能が追加されました。

Spectrum上に数秒カーソルを合わせるとSpectrum Grabが有効になりますが、同じ場所を数秒クリックホールド(クリックしたままにする)するとPermanent Spectrum Grabモードが有効になり、Spectrumが青に変わります。

Permanent Spectrum Grabモード

Permanent Spectrum Grabモードではピークのグラフィックを調整してもモードが解除されないので、複数のポイントを一度に調整できます。

これはストレスを減らすとてもありがたい改良です。

Permanent Spectrum Grabモードを解除するには、ディスプレイ内のSpectrum以外の場所をクリックします。

ということは、ピークをドラッグしようとしてうっかりディスプレイ内のSpectrum以外の背景をクリックしてしまうと…その時はもう数秒クリックホールドしてください。

現在のカーソル位置の情報の表示

3つめはバンドの表示に関するアップデートです。

Pro-Q2は追加したEQポイントにカーソルを合わせるとEQポイントの周波数や、ピアノディスプレイが有効の場合はノートナンバーなどの情報を表示します。

EQポイントにカーソルを合わせると出てくる情報

今回のアップデートでは、ポイントにカーソルをフローティングしていない状態でも現在のカーソル位置の周波数をグラフィック最下段に表示します。

ピアノディスプレイが有効の場合はノートナンバーが表示されます。

新バージョンでの表示情報追加Pro-Q2をトラックにインサートして積極的にサウンドメイクに使用する場合、特に倍音をグイグイ引っ張り出したい時などではノートナンバーの表示はとてもありがたい機能ですが、カーソル位置の情報が常に出ているとポイントを作成する際にスムーズで使いやすいと思います。

それでは今回はこの辺で。
また新製品や新機能が登場した時に続きます!

Pro-Q2

アナログモデリングを採用した、マスタリング品質のEQ