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【連載】u-heはユーヘーでもウーヒーでもなく『ユーヒー』と読みますよ!vol.27

u-he製品をABC順に紹介している本連載。
今回は前回のACEに続いてBazilleその4です。

Bazilleはこれまで主にSynthページからオシレータ、LFO、エンベロープ、Filterの解説を行ってきました。

今回はまずSynthページのそれ以外の機能を見ていきたいと思います。

Processorsで表現の幅を広げる

Bazilleの左右端、各LFOの下を見るとProcessorsというセクションがあります。
GUI上にラベルはないのですが、それぞれこのようなモジュールです。

Processors

中央の機能が違う以外は同じ機能で、それぞれの詳細は以下の通りです。

INVERTER:入力された信号を逆転させます
RECTIFIER:ネガティブの値をポジティブに変換します
SAMPLE&HOLD Trigger(左Processorsのみ):トリガーシグナルが0をポジティブ側に通過する際にインプットシグナルの値を記録し、次にトリガーシグナル0をポジティブ側に通過するまで保持します
QUANTIZER(右Processorsのみ):入力シグナルをステップ化
LAG GENERATORS:AttackとReleaseを個別にグライドします

と、書いてみましたが、文章では何が何やら伝わりづらいと思うので補足します。

INVERTER:入力信号を逆転させる効果があるので、仮にモジュレーションホイールの出力をINVERTERの入力に、INVERTERの出力をFilterのカットオフにルーティングした場合は、モジュレーションホイールの値を上げた場合にフィルターが閉じ、値を下げた場合にフィルターが開くということになります。

RECTIFIER:例えばLFOなどでポジティブとネガティブの値を行き来する信号をRECTIFIERに通した場合、ネガティブの値がポジティブに反転することになります。

絵で見てみるとこのようなイメージです。

Rectifier

SAMPLE&HOLD Trigger:ノイズなどをS&H Triggerのインプットへ、もうひとつのインプットにLFOなどを接続すると、LFOの0ポイントをポジティブ側に通過するタイミング(以下画像赤丸ポイント)でノイズの値を記録し、S&H Triggerのアウトプットを接続したモジュールをコントロールします。

S&H Trigger

OSCのTuneに接続したならランダムピッチ、Filterのカットオフに接続したらランダムフィルターになるという具合です。

QUANTIZER:シグナルをクオンタイズしてシグナルの解像度を下げるイメージです。

絵で見るとこのようになります。

QUANTIZER

ノブで解像度を調整します。

LAG GENERATORS:入力信号をアタックとリリースを個別にグライドさせるイメージです。

絵で表すとこのようなイメージになります。少し極端ですが。

LAG GENERATORS

Processorsを使用することで表現の幅が簡単に広がるのでいろいろ試してみると面白いと思います。

MIDI&MORE

Synthページ最下段にはMIDI&MORE、MULTIPLEX、SEQUENCERのが並んでいます。
まずはMIDI&MOREから。

MIDI&MORE

その名の通りMIDIその他の機能ですが、赤いポートがたくさんあるのを見て分かる通り、様々な機能のアウトプットが並んでいます。

Processorsの解説のS&H Triggerでノイズをインプットへ…と書きましたが、ホワイトノイズやピンクノイズもここにあります。

White:ホワイトノイズを発音します
Pink:ピンクノイズを発音します

CV 1/2:LFOやエンベロープのレートやレベル、パンのプルダウンメニューでCV1/2を選択した場合、CV 1/2に接続しているモジュールでコントロールすることになります

Press:MIDIキーボードからのチャンネルプレッシャーまたはポリプレッシャーの信号をアサインします
Gate:ゲート/MIDIノートメッセージをアサインします
Velo:ベロシティ/MIDIノートメッセージをアサインします
PitchW:ピッチホイールの信号をアサインします
ModW:モジュレーションホイールの信号をアサインします
Breath:ブレスコントロールの信号をアサインします
Xpress:エクスプレッションペダルの信号をアサインします
KeyF1/2:キーフォロー/演奏するMIDIノートの高さに反応するモジュレーションをアサインします。KeyF2のみGlideのOffset2&4に反応する信号をアサインします

Random:ノートを入力するたびに値をランダムに生成します
+5V:DCオフセットを作成、または正常な範囲を超えるパラメータを調整します
Map 1/2:TWEAKS & FXページのMapping Generator 1と2の信号をアサインします
StackV:Stack Voiceの値をアサインします
Alt:ノートを入力するごとに+5Vと-5Vの信号を出力します
Ramp 1/2:TWEAKS & FXページのRampジェネレータの信号をアサインします

例えばモジュレーションホイールでフィルターのカットオフを操作しようと思ったら、MIDI&MOREのModWから任意のフィルターのカットオフコントロールのインプットまでドラッグ&ドロップするだけですし、VeloのアウトプットをOSCのTuneコントロールのインプットにドラッグ&ドロップすれば入力するノートのベロシティに反応してピッチが変化するサウンドというようなことになります。

とても簡単ですね。

サウンドを作ってる感が手軽に味わえるBazilleに興味を持ってくれた方は製品ページからデモバージョンをダウンロード/インストールして試してみてください。

Bazilleその5ではMultiplexとSequencerの解説の辺りから始める予定です。

それではまた次回!

Bazille

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