(2015/03/10)
前回NoteFXのアルペジエイターについての問い合わせを受けたというところから、Arpeggiatorデバイスの解説を行いました。
現在のバージョン(1.1.6)では、Arpeggiatorの他にDiatonic TransposerとNote Filter、Note Pitch ShifterとTransposition Mapの計5種類のNoteFXが搭載されています。
せっかくなので先週からの流れで残りのNote FXの解説をしようと思いますが、他のNoteFXはシンプルな機能のものが多いので、今回はサラッと解説していきます。
■ 記事一覧/もくじ:BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!
Diatonic Transposer
このFXは、指定したScaleとKeyでノートを取り除いたり移動したりします。
例えばスケールがメジャー、キーがCだった場合の構成音は『CDEFGAB(ドレミファソラシ)』ですね。
なので、CDEFGABというノートがあったとして、Diatonic TransposerのスケールをMinorに設定した場合、EABの3音に影響を与えることになります。
Foreign NotesをFilterにしている場合はEABが取り除かれて、Constrainにしている場合はEABが半音下がることになります。
各スケールを理解するには音楽理論の勉強が必要になりますが、レコーディング済みのメロディに掛けて適当にスケールを変更してみると面白いフレーズに変わったり、メロディの流れが手癖のようになってしまっている人には思わぬヒントが飛び出すかも知れません。
Note Filter
Diatonic Transposerにもノートのフィルター機能はありますが、Diatonic Transposerがスケールの構成音に含まれないノートを取り除くのに対してNote Filterは指定したキーとベロシティの範囲内のノートを取り除きます。
インストゥルメントのレコーディング時にミスタッチでベロシティ値がとても小さい不要なノートが記録されてしまう時がありますが、そのような不要部分を取り除く時に便利です。
KEY、VELOCITYの数値はそれぞれ上段が最小値、下段が最大値で、設定した範囲以外を取り除きます。
例えばVELOCITYの数値を上段60下段100に設定したとすると、ベロシティ0から59と101から127のノートは発音しなくなります。
Note Pitch Shifter
+-3オクターブのピッチシフトとセミトーン(半音)単位のピッチシフト、それから半音以下の微調整を行うFineノブがあります。
単純なオクターブの上下はNOTEインスペクタ内にもありますが、オクターブがプリセットされている分音源のイメージを探る場合などにもスピーディーで重宝します。
Transposition Map
このFXはDiatonic Transposerの手動バージョンのようなもので、オレンジ色のドットがノートを表しています。
ルートをCに設定した場合1番左下のドットがC、右上がBで、間はそれぞれ半音ずつということになります。
このドットの位置を上下に変更することで、入力されたノートを設定した値に変更します。
例えば上の画像の状態で、左下のドットを2つ上に設定すると、Cが入力された時にDを発音することになります。
OctaveのAuto/Up/Downは、Transposition Mapがノートの値を変更する際にオクターブ上で発音するか下で発音するか、自動判断するかを設定します。
今回の内容をまとめてご確認ください。
いかがでしょうか。
Note FXは必ず必要というものでもないですが、使ってみると便利なシチュエーションがあったり、意外なフレーズが生まれたりすることあって面白いので、今まで使っていなかったと言う人も試しに使ってみてください。
といったところで今回は終了。
引き続きBITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!!