【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス2 Vol.23!

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(2014/10/17)

Mixcraftの魅力をお伝えしている本連載。連載を一新してからは、マスタリングを取り上げています。

ここ数回の連載では、エフェクトの基本に立ち返り、コンプレッサー、EQの解説を行っており、前回はトータルEQで音の質感を変化させてみました。

今回もトータルEQを使います。
しかし今回は、音の質感ではなく、トータルEQで音の存在感を調整してみたいと思います。


ボーカル入りの楽曲を制作するにあたって

みなさん、ボーカルが入っている楽曲を制作する場合、一番目立たせたいパートは何でしょうか?かなり特殊な場合を除いては、一番目立たせたいパートは、ボーカルだと思います。

そのためマスタリングを行う際も、ボーカルの聴こえ方には常に注意が必要です。

このボーカルですが、目立たせるにはどうすればいいでしょうか?すぐに思いつくのは、ボリューム・フェーダーで音量をあげることだと思います。

ボリュームフェーダー

もちろんこれは有効な手法ですが、今回は1つのオーディオ・ファイルにまとまった状態で作業を行うマスタリング時のお話なので、ボーカルの音量をボリューム・フェーダーであげることができません。

ボーカル波形

このような場合は、トータルEQを使用しましょう!

1つのオーディオ・ファイルにまとまっていたとしても、トータルEQでボーカルの周波数帯域を持ち上げれば、ボーカルの存在感を出すことができます。

説明はこの辺りにしておいて、早速トータルEQをかけてみましょう。
今回使用する音源は、以下の音源です。

まず、この音源にトータルEQを以下のようにかけてみました。

EQ処理

あまりQ幅を狭くし過ぎると楽曲の周波数のバランスが崩れてしまうため、ある程度の幅を持たせています。

また、ボーカル部分の周波数帯域を持ち上げると、同時に低域も上がってしまったため、低域部分をカットしています。

では、実際の音を聴いてみましょう!以下の音源は、EQ前 → EQ後 → EQ前 → EQ後という順番で流れます。

いかがでしょう?トータルEQをかけた方が、ボーカルの存在感を増したように感じませんか?

次に、ボリューム・フェーダーをあげた時の違いを感じるために、元の音源からボーカルの音量をボリューム・フェーダーであげた音源を作成しました。
これと、トータルEQをかけた音源を比べてみましょう。

以下の音源は、トータルEQで調整した音源 → ボリューム・フェーダーで調整した音源 → トータルEQで調整した音源 → ボリューム・フェーダーで調整した音源という順番で流れます。

両方の音源ともに、ボーカルの存在感は大きいですが、音の印象はそれぞれ異なっていると思います。

私の印象としては、トータルEQで処理を行った音源はボーカルが中心に構えており、フェーダーで処理を行った音源では、ボーカルが上の方に配置されているように感じました。

どちらがいい悪いということはないので、楽曲に合わせた処理を行ってください。

それでは!