Top > チュートリアル > 【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.11!

【連載】Mixcraft 6で音と映像をミックス Vol.11!

Mixcraft Pro 6で音と映像をミックス ヘッダー

(2013/10/18)

Mixcraftを使用し、楽曲制作を行っている本連載。
この連載も11回目となり、いよいよミックス編に突入しています。

前回は、ミックスを行うにあたっての準備として、トラック・カラーの変更、サブミックス・トラックを使用したトラック・ルーティングの整理などを行いました。
ミックスを行うにあたっての準備はこれで整いましたので、今回からミックスを行っていきます。

Mixcraftの解説もそうですが、ミックスの解説も丁寧に行っていきますので、最後までじっくりご覧ください。

ボリューム調整

それでは、ミックスを始めていきます。
まず着手する作業は、各トラックの ボリューム調整とパン調整です。
これらの作業の解説用として、以下のようにドラム、ギター×2、ベースという、シンプルなバンドサウンドの音源を用意しました。

ミキシングコンソール

音源を聴いていただいて分かるように、各トラックのバランスは取れていません。ギターが異常に大きく、音に広がりが感じられません。また、各トラックから出力されるボリューム・レベルが高く、マスター・トラックでレベル・オーバーしてしまっています。

レベル・オーバーの際は、以下の画像のようにボリューム・メーターに赤いLEDが点灯します。

レベルオーバー

レベル・オーバーをしてしまうと、 音が歪んでしまいます。今の段階では耳に聴こえない歪みだったとしても、今後の作業で音をクリアにし、音圧を上げていくと、歪みが目立ってきてしまう場合があります。
レベル・オーバーで音が歪んでいる状態を 「クリップしている」といいます。

Mixcraftのようなデジタルの制作環境で、レベル・オーバーの歪みは、 耳障りな歪みと呼ばれており、歪んでしまっている音には、どんなに優秀なエフェクトを使用しても効果は半減してしまうため、初めにボリューム調整を行う必要があります。

それでは、各トラックのボリューム調整を行っていきましょう。

まずは、 全てのトラックのボリューム・フェーダーを0にします。

iゼロ

次に、楽曲の土台部分であるドラム・パートからボリュームのバランスを取って行きます。
最初に、バス・ドラムのフェーダーを上げていきます。どこまで上げるかというと、 バス・ドラムの最大の音が、以下画像のあたりまでくるようボリューム・フェーダーを調整してください。
バス・ドラムを単体で鳴らした状態で、このあたりでボリューム・レベルが振れていれば、他の楽器を加えていっても、 マスター・トラックがレベル・オーバーしません。

ドラム・キットの音量によっては、若干調整を行ってください。

4調整

バス・ドラムの音量が決まったら、このバス・ドラムの音を基準に、スネア・ドラム、ハイ・ハット、タム、クラッシュ・シンバルのフェーダーを上げていきましょう。
ちなみに私は、このようにバランスを取りました。

5バランス

しかし、まだ各ドラム・パーツの音が重なっているように聴こえます。
その理由は、 全てのドラム・トラックのパンがセンターに設定されているためです。

パン調整

パンについては、過去の連載記事でも触れましたが、改めてご紹介します。
パンとは 音の定位のことで、ボーカルが真ん中から聞こえるように配置したり、ギターは左のスピーカーから、クラッシュ・シンバルは真ん中から若干右側から聞こえるようにと音を配置していく作業を、 「パンの設定」といいます。

Mixcraftでは、パンは画像赤枠にて調整します。

6パン調整

先ほどボリューム調整を行ったドラム音源のパンを調整しました。調整後の音源がこちらです。

このパン調整は、 実際のドラム・キットを参考にしています。
実際のドラム・キットを思い返してみると、真ん中にバス・ドラム、スネア・ドラムがあり、真ん中から若干広がった位置にハイ・ハット、クラッシュ・シンバルがあると思います。
実際のドラム・キットと同じように各ドラム・パーツの定位を決めていくと、自然なドラム・サウンドに近づけると思います。

ただ、1960年代、70年代の楽曲などは、ボーカルが左に振り切られていたり、全てのドラム・パーツが右に振り切られていたりと、現代の音楽とはかけ離れた定位に設定されている曲もあります。

時代によって、求められるバランスや定位は異なるので、この辺りを意識して聴いてみるとおもしろいと思います。

リファレンス曲で有効活用

ドラム・パートのバランスが取れたら、 ベース、ギターという順番で、上記のようにバランス調整をしていきましょう。
楽曲の土台となるドラムとベースから調整を行うと、 楽曲のバランスが取りやすくなると言われています。
ボーカルが主役となるポップス曲のミックスでは、ボーカルからバランス調整を行う場合もあります。

また、トラックのバランス調整が慣れないうちは、リファレンス(参照する)曲を用意するのがオススメです。「メタリカの楽曲のように、ラウドに仕上げたい」と、理想とする楽曲がすでにある場合は、その楽曲をプロジェクト・ファイルに読み込み、現在バランスを取っている楽曲と、リファレンス曲を常に聴き比べながら行うと、バランス調整に慣れますし、ミックスが上手くなります。

7ボリューム.jpg

このリファレンス曲を聴き比べる際は、必ずボリュームを下げた状態で行ってください。
現在発売されている楽曲は、楽曲制作に必要な行程を全て終了しているため、製品としての音量に設定されています。それに合わせようとバランス調整を行っていくと、あっという間にレベル・オーバーしてしまうので、リファレンス楽曲は 必ず-10dBほど下げてください。

また、常に同じ音量でミックスを行うことも大切です。
同じ音量で繰り返しミックスを行っていれば、「ドラムのキックとベースがこのくらい聴こえていれば、楽曲のリズムが安定して聴こえる」と自分の中で基準が生まれてきます。
そのため私は、スピーカーのボリューム・コントローラに目印をつけて、ミックスの際は同じ音量を保つようにしています。

冒頭のバンド音源ですが、ボリューム調整、パン調整を行ったものがこちらです。
ベースの定位はセンターですが、2本のギターは左右に大きく振っています。こうすることで、 ステレオ感が出てきて、 音の空間が広く 感じられます。

pan振り

ボリューム調整、パン調整などは見落としされがちですが、非常に重要な行程なので何度も練習を行い、理想のバランスを見つけてください。

次回もミックス編です。

投稿者:うえだ

うえだ

カスタマーサポート担当。
丁寧かつ迅速なサポートを心がけています。
弊社取り扱い製品についてお困りの際はお気軽にご連絡ください。

関連する記事をもっと読む

関連製品情報ページ