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シンセヒーローへの道 Vol.5

シンセヒーローへの道 Vol.5

ポルタメントの有効活用方法

数多くのシンセサイザーに搭載されている機能として、ポルタメントがあります。シンセサイザーによっては、グライドと呼びます。
今回はこのポルタメントを使って、かっこいいシンセベースの音色を作ってみたいと思います。

ポルタメントって?

まずは、ポルタメントの概要から説明します。
ピアノで「ド」「レ」「ミ」と弾くと、もちろん「ド」「レ」「ミ」と鳴りますが、「ド」と「レ」の中間の音や、「レ」と「ミ」の中間の音は出すことはできません。
しかし、ギターやバイオリンなどの楽器では、弦に指を滑らせれば、「ド」「レ」「ミ」と弾いても、それぞれの中間の音も鳴らすことができます。この奏法を、ポルタメントやグリッサンドといいます。

シンセサイザーのポルタメントも、基本は同じです。シンセサイザーのポルタメントをONにすると、音程と音程が、なめらかに変化するようになります。

ポルタメントの効果を実際に聴いていただくために、音源を用意しました。音程変化に注意して、聴いてください。

ポルタメントオフ
ポルタメントオン

また、ポルタメントは、音程間の変化速度を調整することも可能です。
「ド」「レ」と弾いた際、「ド」から「レ」まで音程が変化する時間を、長くしたり短くしたりすることができます。

※ 今回使用するシンセサイザーは、Rob Papen PREDATORです

Rob Papen PREDATORのポルタメントは、以下画像の赤枠部分にて調整します。

ポルタメント操作

このポルタメントを上手く使って、これから簡単にかっこいい音色を作っていきます。

MIDIノートの打ち込み

さっそくシンセベースの音色を作成していきたいところですが、今回はグライドに関する説明に集中したいため、プリセットを使用します。
今回使用するシンセサイザーはRob Papen PREDATORです。Bank 20 ALL BASSES 01の003 BASS ACCENTOを選択しました。
では、MIDIノートを打ち込んで行きます。

「音が重なっている部分だけ、ポルタメントを適用する」という設定

上画像の赤丸部分に注目してください。次の音へかぶせるよう打ち込んでいます。
これは、Rob Papen PREDATORを「音が重なっている部分だけ、ポルタメントを適用する」という設定にしているためです。そのため、赤丸部分のみポルタメントが適用されています。

音が重なるように演奏することをレガート奏法といいますが、シンセサイザーの機種によっては、レガート奏法時のみポルタメントが適用されるといったこともあります。
Rob Papen PREDATORは、以下4つの設定からポルタメントの設定を行うことが可能ですが、今回はHeld Timeにしています。

  • Const Rate:非レガート奏法時でもポルタメントを適用でき、ノート間の音程差が大きいほど、音程が切り替わる時間が長い。
  • Const Time:非レガート奏法時でもポルタメントを適用でき、ノート間の音程差に関係なく、ポルタメントスピードで設定した長さで、音程が切り替わる。
  • Held Rate:レガート奏法時のみポルタメントが適用される。ノート間の音程差が大きいほど、音程が切り替わる時間が長い。
  • Held Time:レガート奏法時のみポルタメントが適用される。ノート間の音程差に関係なく、ポルタメントスピードで設定した長さで、音程が切り替わる。

音色の作成

これから、音色を追い込んで行きます。
まず、Rob Papen PREDATORのプレイモードを、モノフォニックに変更します。

モノフォニック

モノフォニックとは、単音しか鳴らない設定のことです。例えばシンセサイザーをモノフォニック設定で、「ド」 → 「レ」という順番で鍵盤を弾いても、後から弾いた「レ」の音しか発音されません。反対に、複数の音を鳴らす設定を、ポリフォニックといいます。

今回はベースを作成するため、単音しか鳴らないモノフォニックに設定しました。もう1つの理由として、先ほど打ち込んだMIDIノートをご覧いただくと、赤丸部分は音が重なるように打ち込んでいます。

ポリフォニックにしていると、意図しない音が発音されてしまうため、これを防ぐ意味合いもかねてモノフォニックにしています。

では、ポルタメント適用前と適用後の音の違いをご確認ください。

※ ポルタメント適用後の音源は、ポルタメントの効果がはっきり分かるようポルタメントスピードを67%に設定しています

ポルタメント適用前

ポルタメント適用後

このようにポルタメントを適用するだけで、ウニョウニョしたグルーヴあるシンセベースを簡単に作れます。しかし、これだけでは終わりません。更に磨きをかけ、最後の仕上げを行っていきます。

まずは、フィルターのカットオフのオートメーションを書きます。オートメーションを使用することにより、自分の理想通りにパラメーターを動作させることが可能です。

パラメーター

カットオフ変更後の音源

次に、LFOをフィルターのレゾナンスに適用させます。音を聴きながら調整を行い、以下の画像のように、設定を行いました。

Rob Papen PREDATOR

完成した音源が、以下音源です。

これまでの知識 + ポルタメントで、かっこいいシンセベースができたと思います。
このように1つ1つの機能は単純でも、これらの機能を組み合わせることにより、複雑な音色を作成することができます。特に、今回ご紹介したポルタメントは非常に簡単ですが効果は抜群なので、音色にアクセントを加えたい際は、ぜひご使用ください。


投稿者:Support U

対象製品

PREDATOR

クラブミュージックに欠かせない「ファット」サウンド