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バランスとアンバランス – ケーブルあれこれ

バランスとアンバランス

TERMINAL MIX 4、TERMINAL MIX 2、JOCKEY 3 MEのアウトプットには、バランス(Balanced)とアンバランス(Unbalanced)という2種類のマスター・アウトプットが用意されています。

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▶ TERMINAL MIX 2のアウトプット

端子の形状で見ると、バランスは1/4フォーン端子、アンバランスはRCA端子になっていますが、それぞれのアウトプットにはMASTER BALANCEDとMASTER UNBARANCEDと印字されているのが見えます。「なぜ2種類の端子が用意されているのか?」といえば、お持ちのケーブルのジャックに合った方を使うため・・・以外に、ちゃんと理由があります。

そもそも「バランスとアンバランスとは何か?」という話ですが、細かい上にちょっと難しい話しも絡んでくるので、ここでは平たくバランスの方が構造的にノイズに強いと考えておいてください。

RCA / TS / TRS

使用するケーブルはアンバランス端子にはお馴染みのRCAケーブル、通称「あかしろ」ですね。これはDJプレイや音楽制作に興味がない人でも知らない人はいないというくらい一般的ですね。

RCA

▶ RCAケーブル

このケーブルは先端のピンの部分と外周のリングの部分の2カ所で信号をやり取りします(正確には2つの信号とは言わないような気もしますが、配線が2本という意味で信号と表記します)。これに対してバランスアウトは一般的にTRSかXLRの2種類のジャックが使用されますが、Reloop コントローラ製品ではTRSが採用されています。

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▶ TS / TRS

これもわりと目にする機会の多いケーブルですね。ギターやシンセサイザーなどを接続する際に使用するケーブルの形状です。ここでひとつ注意点なのですが、画像の2つのジャックはほぼ同一の形状ですが、一カ所だけ違いがありますね。2つのジャックは、上がTS、下がTRSと呼ばれるものです。

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▶ Tip / Ring / Sleeve

画像に注釈を入れてみました。

フォンジャックは先端のチップといわれる部分と胴のスリーブといわれる部分の2カ所で信号をやりとりします。TipとSleeveの頭文字を取ってTSですね。TSのSleeve部分をさらに2つに分けて3つの信号をやりとりできるようにしたものがTRS。Tip、Ring、Sleeveの頭文字です。バランスアウトはホット、コールド、グラウンドの3種類の信号をやりとりするので、フォンタイプのバランスアウトにはTRSのジャックを使用する必要があります。

TSとTRSは形状はほぼ同じなので、TRSのポートにTSのケーブルを接続することも可能ですが、この場合TSのケーブルでは3つの信号を受け渡すことができないので、接続する機器同士がバランス接続に対応していて、使用するケーブルも意味がない、ということになりますね。

ところで先にバランス接続とアンバランス接続ではバランス接続の方がノイズに強いと書きましたが、一般的にはコンサート会場などで10メートル20メートルというような長さのケーブルを使用する場合の話なので、自宅で使用する分にはバランス接続もアンバランス接続も、そこまで神経質になる必要もないかと思います。より音質にこだわりたい方は接続方式よりもケーブルそのものの素材や材質による変化を追求された方がおもしろいかもしれませんね。

XLR

バランス接続時のTRSともう一方のXLRケーブルを使用する機器は、Reloop製品ではWAVE 5とWAVE 8に採用されています。

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▶ Reloop WAVE 5のバックパネル

画像はWAVE 5のバックパネルで、XLR、フォンジャック、RCAから選択できるようになっています。XLRポートを見ると123と小さい穴が開いているのが見えますね。

XLR

▶ 3つの信号をやり取り

XLRケーブル側を見てみると3本のピンが生えていて、3つの信号をやり取りしているのがハッキリわかります。構造的に壊れにくいという利点もあるので、マイクなどの頻繁に動き回る可能性がある場所にも採用されています。

TRSとXLRは形状の違いはあってもやりとりする信号は同じなので、たとえばTERMINAL MIX 4からWAVE 5にバランス接続する場合は、TRSからXLR(オス)のケーブルを使用してくださいね。

それでは今回はこの辺で。