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GAINとボリューム・フェーダーは何が違うの?

DJプレイを行う際に音量をコントロールする部分を分けて考えてみると、大きくはGAIN(ゲイン)、ボリューム・フェーダー、EQ、Masterボリュームの4つに分けることができます。

ターンテーブルやDJ用CDプレイヤーなどでDJミキサーを使用するスタイルの方には馴染みのある名称や機能でも、BEATMIX、TERMINAL MIX 4やTERMINAL MIX 2、JOCKEY 3 MEなどのDJコントローラでDJを始めたデジタルDJの方は少し混乱する場合があるようです。

「GAINとボリューム・フェーダーは何が違うの? 最適な値は?」というような疑問をお持ちの方へ、簡単に説明してみたいと思います。


GAIN

ターンテーブルやDJ用CDプレイヤーでは、ターンテーブルなどのプレイヤーからDJミキサーにケーブルを接続し、オーディオ信号を受け渡します。このとき入力信号の大きさを決めるのがGAINの役割です。

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例えば2台のターンテーブルからそれぞれ曲を再生した場合、曲によっては音量がまったく違う場合があります。このままではミックスに支障がでてしまうので、それぞれの曲の音量を合わせてあげる必要がありますね。

そこで、音量の大き過ぎる曲はGAINを下げ、逆に音量の小さい曲はGAINを上げます。

機器にもよりますが、GAINの最適な値はその曲中で最も大きな音量になる瞬間にピークランプが点灯するのが良いとされています。DJプレイ中に曲中の一部しか使用しないという場合は、プレイする中での最大音量を基準に設定します。

デジタルDJの場合はDJミキサーへの入力がないため、GAINの考え方に混乱する場合があるようですが、この場合にも考え方は同じで、コンピュータの中にある曲データをVirtual DJやSerato DJ Introなどのソフトウェアのミキサーに入力しているということになります。

この入力信号の調整がGAINと覚えてください。

ボリューム・フェーダー

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ボリューム・フェーダーはGAINで調整した信号の大きさを調整します。

仮に画像のようにGAIN調整を行っていない場合、上のチャンネルではフェーダーをMaxに上げるとレベルを振り切ってしまいますし、下のチャンネルではフェーダーをMaxに上げても音量が足りないということになります。

このようにGAINとフェーダーは密接な関係にあります。GAIN調整が正しく行われていないと音質の劣化にも繋がるので、きちんと調整を行いましょう。

EQ(イコライザー)

EQはあまり説明の必要はないかもしれませんが、ボリューム繋がりで念のため。

Virtual DJやSerato DJ Introでは3バンドのEQを採用していますが、これは再生中の楽曲の高音部、中音部、低音部のボリュームを別々に上下させることができるものです。

高音と低音のみの2バンドEQや、中音部をさらに上下に分けた4バンドEQなどもありますし、オーディオ機器やレコーディング機器にはグラフィック・イコライザーやパラメトリック・イコライザーなど、バンド数の多いものや周波数帯の設定方法自体が異なるものなどもあります。

コンピュータで音楽を聴く環境がある方ならiTunesなどのプレイヤーのEQがもっとも馴染み深いグラフィック・イコライザーでしょうか。

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▶ iTunesのEQ

大雑把には3バンドEQはこの画像で10バンドになっているものを大きく3つに分けて音量を上下しているという考え方で良いと思います。

あ、正確には周波数と帯域幅を固定したパラメトリック・イコライザーのようであったり・・・このあたりに興味が湧いた方は検索エンジンで「グラフィック・イコライザー」や「パラメトリック・イコライザー」などのワードを調べてみると、音に対する造詣が深まると思いますよ!

MASTERボリューム

MASTERボリュームはGAINやフェーダー、EQで調整した音の最終的な出口のボリュームを設定します。MASTERボリュームの考え方は、GAINやフェーダー、EQで調整した音をひとつの曲として捉えると良いと思います。

fun20130122_gain_04_master

TERMINAL MIX 4やTERMINAL MIX 2、JOCKEY 3 MEやBEATMIXはもちろん、各社のオーディオ・インターフェイスやPAミキサー、パワード・モニターなどの機器同士の組み合わせによっては、DJソフトウェア内やDJミキサー内では綺麗にミックスされていても、最終的には過大入力になって音が割れてしまったり、小さくなってしまったりする場合があります。

MASTERボリュームの調整は7〜8割程度を目安に、PAミキサー側の入力やパワード・モニターのボリュームで調整するのが良さそうです。

※ MASTERに限らずボリューム調整は小さい値から徐々に大きくしていくのが基本です。問題ない場合の目安が7〜8割程度と捉えてください。

もちろん受け側の機器によってはMASTERボリュームを下げる場合や、さらに上げる場合もあるかもしれません。

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▶ TERMINAL MIX 4

ボリューム・フェーダーの項目でも触れましたが、誤ったGAIN調整は音質劣化に繋がります。例えばTERMINAL MIX 4のMASTERボリュームを極端に下げて、パワード・モニターのボリュームで音量を上げた場合、小さな信号をスピーカーで増幅することになるので、不要なノイズが増えるでしょうし、逆にMASTERボリュームを上げすぎて信号を受け渡した場合、パワード・モニターでどれだけボリュームを小さく設定しても音が割れてしまうということもあるかもしれません。

MASTERボリュームを、GAINやフェーダー、EQで調整した音をひとつの曲として捉えた場合、PAミキサーやパワード・モニターなど、次に受け渡す機器側のGAINやボリュームで調整することになりますが、受け渡される側の機器で対応できない場合のためにMASTERボリュームが用意されていると考えてみてください。

駆け足で説明してみましたが、いかがだったでしょうか?
DJ機器でのボリュームについての疑問が晴れていれば良いのですが・・・。

最後に、機器の電源をOn / Offする際は必ずMasterボリュームを0にするようにしてください。DJコントローラはもちろん、パワード・スピーカーのボリュームも0の状態で電源を操作しないと、機器を破損する危険が高まります。

ご注意ください!