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Serato DJ IntroとSerato DJの違い(後編)

 

前回の記事では、メイン画面、キュー・ポイント、ルーピング、Whitelabel.netの使用権について、Serato DJとSeratoDJ Introの違いを比較しました。
もちろん、Serato DJでアップグレードされている機能はこれだけではありません。

今回の「Serato DJ IntroとSerato DJの違い 後編」では楽曲の同期方法、4デッキへの対応、サンプル・プレイヤーなどの機能を中心にご紹介いたします。

Serato DJの新機能をほぼ網羅していますので、最後までじっくりご覧ください。

Serato DJでは、同期が簡単!

デジタルDJの利点は数多くありますが、中でも「曲と曲の同期が簡単に行える」オート・シンク機能は、本当に便利です。このオート・シンク機能によって、DJを始める敷居がぐっと下がったと思います。

Serato DJ Introでは、このオート・シンク機能を有効にすると、楽曲のBPM(テンポ)だけを合わせてくれます。これをシンプル・シンクといいます。

シンプル・シンク

このシンプル・シンクは楽曲同士のBPMを自動で合わせてくれる非常に便利な機能ですが、楽曲同士のビートまでは合わせてくれません。シンプル・シンクで楽曲同士のBPMを合わせてから、ジョグ・ホイールを使ってビートを合わせます。

Serato DJ シンプルシンク

楽曲同士の同期を行うにあたり、最も技術がいるテンポを合わせる操作はソフトで行い、ビートは人間の手で合わせることにより、アナログ感が残るといった利点があります。

そのため、シンプル・シンクはSerato DJにも搭載されている機能です。上記の内容を分かりやすく説明するため、シンプル・シンクを実際に行いました。

スマート・シンク

Serato DJ Introの同期タイプはシンプル・シンク一択ですが、Serato DJではシンプル・シンクに加え、スマート・シンクという機能が新たに搭載されています。

このスマート・シンクは、シンプル・シンクと同じようにBPMを合わせてくれて、なおかつビートも合わせてくれます。ジョグ・ホイールを使って、「ビートを合わせるのは難しい」、「打ち込みの曲だから、ビートを完璧に合わせたい」といった時に、活躍してくれる機能です。

このスマート・シンクも、動画を用意しました。
シンプル・シンクとの違いがよく分かるように、同じ素材で同期操作を行いました。ご覧ください。

シンプル・シンク、スマート・シンクともに利点があり、プレイする楽曲に合った、シンク機能を選択してください。
Serato DJでは、シンク機能をセットアップ画面から選択できます。

Serato DJ シンク機能 セットアップ画面

生まれ変わったサンプラー機能!

昨今のDJソフトウェアでは、もはや当たり前かのように、サンプラーが搭載されています。
Serato DJ Introでも、簡易的なサンプラーは搭載されていました。

サンプラー

しかし、あくまで簡易的なもの。サンプル再生と再生箇所の選択しか行えません。

Serato DJは、サンプラー機能が「SP-6 サンプル・プレイヤー」となり大幅にパワーアップしています。

SP-6 サンプル・プレイヤー

見た目からして想像がつくかと思いますが、機能が大幅に追加されています。

大きな変化として、Serato DJ Introはサンプル最大発音数が4つまでですが、SP-6 サンプル・プレイヤーではサンプル最大発音数が最大6つ!また、バンクという概念が加わり、サンプル・スロット 6個 × サンプル・バンク 4ページで、最大24個のサンプルが保存可能です。

(※サンプル・バンクをまたがって、サンプルを再生することはできません。また、サンプル・バンクを切り替えると、例え最大発音数にサンプルが達していなくても、サンプル音の再生は停止します。)

では、サンプル・スロットを拡大し、それぞれの機能をご説明します。

サンプルスロット

1:サンプルを再生する。
2:SP-6再生モードを変更する。
3:サンプルをループさせる。
4:サンプル・ゲインを調整する。
5:SP-6同期ボタン。
6:SP-6セレクター。サンプル再生箇所を変更する。
7:SP-6ミュート・ボタン。サンプル・スロットをミュートする。
8:SP-6 ピッチ・コントロール。
9:サンプル・スロットのボリュームを調整する。
10:SP-6 キーロック。サンプルのテンポを変更したとき、もとの音程を保つ。

上記の追加機能のうち、いくつか補足説明を行います。

4:サンプル・ゲイン」と「9:サンプル・スロットのボリューム調整」について

この2つの機能は、サンプル音量を調整するものです。どちらを使ってサンプル音量を調整しても、結果が同じなような気がしてしまいがちですが、両者の機能は大違い!

下の画像は、サンプル・スロットに同じサンプルを読み込んでいます。同じサンプルのため、青枠のサンプル・ゲインは同じ値です。赤枠のサンプル・スロットのボリュームは、それぞれ個別設定が可能のため、値が異なります。

サンプルスロットに同じサンプルを読み込む

ゲインとボリューム調整の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。ご参照ください。

6:SP-6 セレクター

サンプルにキュー・ポイントをセットしておけば、サンプル再生箇所を、start、cue 1、cue 2というように6:SP-6 セレクターから選択できます。

ではSP-6について、ここまでの内容 + αの機能を動画でご紹介したいと思います。
しかし、その前に解決しなければいけない問題がありました。

DJコントローラにSerato DJの機能が割り当てられていない時どうする!?

Serato DJは他社の様々なDJコントローラに対応しています。そのため、DJコントローラのボタン配置数によって、DJコントローラに割り当てることができないSerato DJの機能が存在します。

しかし、Serato DJはこういった問題の解決のため、ある機能を搭載しています。
それはMIDIコントロール機能です。

MIDIコントロール機能は、Serato DJの機能をMIDIコントローラにアサインすることができる機能です。

このMIDIコントロール機能を使用すれば、iOSデバイス(iPhone、iPad)でSerato DJをコントロールすることも可能!

iPadでSerato DJをコントロールすることがかなり快適なので、SP-6サンプル・プレイヤーをご紹介する動画は、iPad miniでコントロールしました。

では、SP-6サンプル・プレイヤーをご紹介した動画をご覧ください。

Serato DJはSerato Videoに対応

Serato DJはSerato Videoに対応しています。
Serato VideoはSerato DJのプラグイン扱いのため、Serato DJ上にSerato Videoを起動することになります。よって、Serato DJの対応コントローラで、Serato Videoの機能を一部操作することができます。
つまりSerato Videoを使えば、音楽と映像を同時にコントロールできるという、魅力的なソフトです。

Serato Videoについては、こちらをご覧ください。

目立たない。けど、必要な機能!

ここからは、うっかりすると気付かない、しかし便利な機能たちを一気にご紹介します。
個人的には派手な機能の追加より、こういった目立たない機能の方が、実際プレイするにあたって重要な気がします。

再生デッキのロック

クラブでDJプレイの本番中、現在再生しているデッキに新しい曲をロードしてしまい、再生を止めてしまうというミスは、誰にでも起こりえます。
このヒューマン・エラーを防止するためには、再生デッキをロックしておきましょう。

Serato DJ 再生デッキをロック

こうしておけば、デッキの再生を停止しないかぎり、新しい楽曲をロードすることはできません。
特別な理由がない限り、ロックしておいた方がいいと思います。

ブレイキング

アナログ・レコードの回転速度を変更すると、楽曲の音程も変化します。そのため再生速度が変化する、再生、停止操作の際は、ターン・テーブルの回転速度が安定するまで、楽曲の音程も安定しません。
この音程の変化は、ターン・テーブルの味として、DJ プレイに応用されてきました。

Serato DJは、この再生・停止速度の変化具合を調整できます。

ブレイキング

こちらは、動画を用意しました。ご覧ください。

ミックス録音機能

DJソフトウェアには、必須といえる機能でしょう。自身のDJプレイを、AIFFまたはWAVファイルとして録音することができます。

ミックス録音機能

ボタン1つで、オリジナルのミックス・テープが作れます。斬新な機能ではありませんが、なくてはならない大切な機能です。

履歴の参照

Serato DJのHistoryパネルには、今までプレイした楽曲が全て保存されています。

履歴の参照

基本となるプレイリストは誰しもがお持ちだと思いますが、クラブの雰囲気によってはプレイリストの内容を即興で変更せざるを得ません。即興でプレイした内容でも、Historyパネルには正確に記録されていて、クレート一覧にドラック&ドロップするだけで、簡単にクレートを作成できます。

履歴の参照

Serato DJは4デッキ

Serato DJへのアップグレードで、一番大きな変化が4デッキ対応になったことだと思います。
4デッキの主な用途としては、複数の楽曲やサンプルをループすることにより、全く新しい楽曲を即興で演奏することでしょう。DJ Abuzeの華麗な4デッキ・プレイをお楽しみください。

動画をご覧いただいて分かるように、4デッキ・プレイはとても練習が必要になります。そのため、4デッキの機能を全く使わないという方が多いかと思いますが、4デッキの使い方は他にもあります。

サンプル・プレイヤーSP-6と、バーチャル・デッキの出力先を、それぞれ設定できる!

まずは、以下の画面をご覧ください。

出力先を設定

2つのバーチャル・デッキ + サンプル・プレイヤーSP-6が表示されています。
2つのバーチャル・デッキの出力先は、デッキ 1とデッキ 2です。そのため、DJコントローラのEQ、フィルター、チャンネル・フェーダーの効果は、それぞれのバーチャル・デッキにしかかかりません。

ここで、SP-6サンプル・プレイヤーに注目してください。

SP-6サンプル・プレイヤーに注目

SP-6サンプル・プレイヤーの出力セレクターで、出力先をデッキ 3に設定しています。
そのため、DJコントローラでデッキ 3のEQ、フィルター、チャンネル・フェーダーを変更した場合、効果はSP-6サンプル・プレイヤーのみに適用されます。

特別な理由がない限り、SP-6サンプル・プレイヤーの出力先とバーチャル・デッキの出力先は、分けておいた方が、自由度が高くていいと思います。

Serato DJのエフェクターは大幅にパワーアップ!そして、ここでも4デッキ対応の恩恵。

Serato DJのエフェクター搭載数は、10個です。Serato DJ Introのエフェクター搭載数が6個のため、「少し、増えただけか」という印象を受けるかもしれませんが、大きく変わった点はエフェクターの「質」です!
Serato DJは、iZotope社のエフェクターを搭載しています。

iZotope社といえば、DAWユーザーの方にはお馴染みかもしれません。主にマスタリングで使用するプラグイン・ソフトが有名です。
マスタリングは、高い精度を要求される作業工程のため、実際にプロの現場で使用されるマスタリング用プラグイン・ソフトは、それほど多くありません。しかしiZotope社のプラグイン・ソフトは、百戦錬磨のマスタリング・エンジニアから絶大な支持を受け、世界中で使用されています。

そのiZotope社のエフェクターが、Serato DJに搭載されています。iZotope社のエフェクターだけあって、高いクオリティーです。

iZotope社のエフェクター

また、デッキ・アサインも画像黄枠のように4デッキ + マスター・デッキと自由度が高いです。
先ほどのSP-6サンプル・プレイヤーと組み合わせて使う場合、SP-6サンプル・プレイヤーはデッキ 3にアサインしておき、エフェクターをデッキ 3にアサインすれば、SP-6サンプル・プレイヤーに個別にエフェクトをアサインすることも可能!

このように、4デッキ全てを表示させずとも、4デッキの使い道は様々です。やはり、2デッキより4デッキの方がいいですね!

直感的な操作性 + αの機能を持つSerato DJ!

ここまで、Serato DJ Introと比較しながら、Serato DJをご紹介してきました。機能が大幅にアップグレードされているため、全2回にわけても、一部の機能の詳細がご紹介できませんでした。
こういった機能については、改めてご紹介いたします。

Serato DJは、シンプル操作が基本です。そのため、デジタルDJが初めての方でも、戸惑うことなくご使用いただけるDJソフトウェアです。
しかし、これまでご紹介してきたように、様々な機能がSerato DJに搭載されているため、曲と曲をつなぐDJプレイ以外にも、サンプラーを絡めた演奏、特殊なエフェクターによる効果、Serato Videoを使用したVDJプレイなど、あらゆるプレイに対応可能なソフトウェアです。

そのため、初心者の方から上級者の方まで、幅広くご使用いただけるDJソフトウェアです。
Serato DJで、新しいDJライフをお楽しみください。