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Serato Studioで初心者向け簡単ビートメイクのすすめ 【番外編】

今回はSerato Studioのチュートリアル「初心者向け簡単ビートメイクのすすめ」の番外編となります。
Serato Studioは、便利な機能を追加するバージョンアップを重ねることで機能が充実し、着実に使いやすくなっています。

以前の記事は【連載もくじ】からご覧いただけます。

これまでの記事以降にソフトウェアのバージョンアップによって追加となった機能を3つご紹介します。

  • パターンライブラリの追加
  • ドラムデッキシーケンサーの編集
  • ビートグリッド編集モードの改善

パターンライブラリの追加

ライブラリタブに「Patterns(パターン)」が追加となりました。

パターンには「ドラムパターン」「インストゥルメントパターン」の2つがあります。

クレートパネルでは、ジャンルやサウンドパックに分けられており、ファイルパネルの「LABEL」を見るとそのパターンが「ドラムパターン」「インストゥルメントパターン」のどちらかがわかります。

以前の記事で紹介しているMakeBeats機能により生成されるドラムパターンがファイル管理できるようになったのに加え、インストゥルメントパターンも扱えるようになったというわけです。

追加購入することなく使用できるSerato Studioサウンドパックの中には、インストゥルメント用に30パターンのMIDIデータが収録された「Chords and Melodies」があるので、まずはこちらを試してみるとよいと思います。
コードパターンからビートメイクをはじめたい人におすすめです。

パターンファイルの使用方法はいたって簡単。
ファイルをデッキシーケンサーエリアにドラッグ&ドロップするだけです。

また、自分で作成したパターンを保存して管理するにはデッキシーケンサーエリアで「右クリック → Save Pattern」を選択するだけ。

保存されたパターンファイルはパターンタブの中の「Saved Patterns」クレートに保存されます。ファイル名は自分がわかりやすい名前にに変更しておくとよいでしょう。

あらかじめ用意されたパターンを使用したり、お気に入りのパターンをライブラリ管理することで、異なるプロジェクトで使用することができるため、スピーディーなトラックメイクを可能にします。
スピーディーに作業を行えば、創造性を逃さず、モチベーションを保ったままビートを完成させることができるでしょう!

ドラムデッキシーケンサーの編集

ドラムデッキ編集に地味ですが便利な機能が追加されました。
シーケンサー画面の各ドラム音色を右クリックすると「Fill In」「Clear Row」の2つのモードが選択できます。
「Fill In」と聞くと、私はスパイス的なドラムパターンを生成できるのかと思いましたが、そうではなく、単純に選択した間隔でシーケンサーに連続入力をする機能です。
クローズドのハイハットを8分でさくっと入力したいときなどに便利そうですね。

「Clear Row」は選択したドラム音色のみを削除する機能です。
これまではドラム音全体のシーケンスのクリアしかできなかったので、地味ですが助かります。

比較的新しいソフトウェアということもあり、細かいですがユーザーの声を取り入れ使いやすい操作になっていますね。

ビートグリッド編集モードの改善

サンプルデッキまたはオーディオトラックのオーディオサンプル編集時の、ビートグリッド編集モードが使いやすくなりました。

グリッドはオーディオサンプルの1拍ごとに設置されます。
オーディオサンプルが正確に解析されていればグリッドを編集する必要はありませんが、オーディオサンプルによっては解析がうまくいかずに手動で調整しなければいけない場合があります。

グリッドを正確に設定しておくと、クオンタイズを有効時に、編集後のグリッドポイントぴったりにキューポイントを設定することができます。

ビートグリッド編集モードへの切り替え方法

オーディオサンプル波形の左下の「GRID」をクリックして編集モードに入ります。

ビートグリッドの編集方法

グリッドのスタートポイントの設定

グリッドのスタートポイントが、オーディオサンプルのスタートポイントとずれて解析されてしまっている場合があります。
オーディオサンプルのテンポが正しく解析されていて、グリッドがずれてしまっている場合、対処方法はオーディオサンプルのスタートポイントで「Set Grid Start」をクリックするだけです。

グリッドの幅調整と移動

グリッドの幅調整と移動をすることで、オーディオサンプルに対しグリッドを正確に設定することができます。
グリッド線の上部をクリックしてドラッグすると幅を調整することができます。幅を調整するとテンポも同時に変更されます。

同様に[ Command(Windowsの場合:Ctrl)] キーを押しながらクリックしてドラッグすることにより、グリッドを移動することができます。

グリッド線の上部をクリックしてドラッグする方法以外にもビートグリッド編集ツールパネルから調整を行うことも可能です。
グリッド幅の調整は「Adjust」ボタン、移動は「Slip」ボタンで行います。([ Shift ]を押しながらクリックすると大幅な調整/移動が可能)

オーディオサンプルのテンポがあらかじめわかっている場合には直接数値を入力が可能。
テンポを倍や半分に設定することも可能です。

「Clear All」をクリックしてグリッドの削除が可能です。
グリッドの編集が終わったらオーディオサンプル波形の左下の「SAVE」をクリックして編集結果を保存することができます。

サンプルデッキ使用時はキューポイントの位置調整を行えば困ることも少ないと思うので、グリッドの編集は必須ではないと思います。
ここではビートメイクの説明を行ってきたので、今回は割愛していますが、オーディオトラックを使用してマッシュアップやリミックスを作りたい場合の、長めのオーディオサンプルを扱う場合にはグリッドの編集が必要となるケースが多いと思います。

Serato Studioは、楽曲のイントロ部分の追加をしたい場合のDJエディットや、マッシュアップ / リミックスの作成も得意とするソフトウェアです。
そのあたりは別の機会にご紹介したいと思います!