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Serato Studioで初心者向け簡単ビートメイクのすすめ Vol.1

この連載ではSerato社のビートメイクソフトウェアSerato Studioを使って初心者向けのビートメイクの方法をご紹介していきたいと思います!

まず、SeratoといえばDJ用のソフトウェアを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、メーカーとしての始まりはPitch ‘n Timeという高品質なタイムストレッチとピッチシフトをするソフトウェアからスタートしているんです。
最初はDJソフトウェアじゃないんですよ。

後に、PCの音源をアナログターンテーブルDJセットでコントロール可能なデジタルバイナルシステム(DVS)のSerato Scratch Liveを世に送り出すことで、DJシステムに革命を起こし、現在はSerato DJ Proが世界中のDJに使用されています。

そんなDJソフトウェアのイメージが強いSeratoですが、今回ご紹介するSerato Studioは、ビートメイク用のソフトウェアなんです。
Seratoはすでにビートメイク用のSerato Sampleという直感的なサンプラープラグインを2017年にリリースしていますが、Serato SampleがAU / VSTとしてさまざまなDAWのプラグインとして動作するのに対し、Serato Studioはホストアプリケーションとして単体で使用することができます。

Serato Studioは、DJのためのDJ向けのビートメイクソフトウェアなので「DJの経験しかないけどビートメイクに挑戦したい!」という人におすすめです。
DJのみなさん、Serato Studioを使ってビートメイクを楽しみましょう!

しかし、いざ自分で作るとなると難しいですよね。
特に楽曲制作用のソフトウェアは聞いたことない専門用語がいっぱい、、
”DAWってなに?MIDIってなんだ?オーディオインターフェース?音楽理論も勉強しないといけない??”
大丈夫です。Serato Studioならスピーディーで直感的なワークフローなので誰でも簡単にビートメイクができるんです。

ビートメイクを始める前にSerato Studioの特徴を3つ説明していきます。

Serato Studioの特徴3つ!

  1. 音楽知識不要
  2. DJフレンドリー
  3. 追加機材、追加音源不要

音楽知識不要

Serato Studioは初心者に優しい機能を備えており、音楽知識がなくてもビートメイクができる補助機能が強力です。
インスピレーションを失わないうちにビートメイクを高速で行えるワークフローを実現することができます。
以下の3点を簡単に説明していきます。

  • プリセットドラムパターン
  • テンポとキーのマッチング
  • Play In Key
[プリセットドラムパターン]

さまざまなジャンルごとの合計300を超えるドラムパターンプリセットが用意されているので、アイデアに困ることはありません。多様なパターンからインスピレーションを得て制作が可能です。

[テンポとキーのマッチング]

最初に読み込んだオーディオサンプルのキーがプロジェクトのキーに設定されます。以降に異なるキーのサンプルを追加すると自動でプロジェクトのキーとテンポにシンクされるため、直感的にサンプルを放り込んで行っても音楽的に破綻することなくパターンを組むことができます。

[Play In Key]

Play In Keyとは、プロジェクトで設定しているキーの内、外れている音程を無効にし、合っている音程のみを有効にして演奏できる機能です。音楽理論がわからない方でも直感的に演奏ができます。

DJフレンドリー

Serato Studioは、Serato DJ Pro(またはLite)に非常によく似た見た目をしているため、すでにSerato DJソフトウェアを使っている方にわかりやすいように設計されています。

まず、ミキサーパネルはDJミキサーのようにレイアウトされています。

一番上のノブはゲイン、その下は3バンドのイコライザー、一番下のノブはフィルター、その下にはボリュームフェーダーというレイアウトになっています。
Serato DJユーザーには使い慣れた方法で音の調整が行えます。

次にFX(エフェクト)です。

Serato DJソフトウェアのマルチFXのレイアウトに似ており、3系統のFXが横並びになっています。3系統のFXそれぞれにかかり具合を調整するノブと、右にはエフェクトタイムの倍率の設定が配置されています。
このレイアウトもSerato DJユーザーにはわかりやすいと言えるでしょう。

さらには波形のカラーもSerato DJソフトウェアと同様です。

キックやベースなどの低音域は赤く表示され、中音域は緑色、ハイハットなどの高音域は青白くなっていきます。Serato DJユーザーには馴染みのあるカラー表示で、波形を見ればどんな音でどのぐらいの音圧感なのかイメージしやすいですね。

このように、すでにSerato DJソフトウェアを使っている方であれば、DAWを触ったことのない方でも導入しやすいソフトウェアであるといえます。

追加機材、追加音源不要

Serato Studioなら一般的にソフトウェアで楽曲制作を行う際に必要となる機材や音源が不要です。
通常、ホストアプリケーションとなるDAWソフトの他に追加機材として以下のものが必要になります。

  • オーディオインターフェース
  • MIDIコントローラー(キーボードタイプなど)
  • モニタースピーカー
  • ヘッドホン

しかし、すでにSerato DJソフトウェアを使用している方であればこれらは不要です。
なぜならSerato Studioは、多くのSerato DJソフトウェアのコントローラーに互換性があり、DJコントローラーがそのままMIDIコントローラー兼オーディオインターフェースとして使えます。
そしてDJ用のスピーカーとヘッドホンをお持ちだと思いますので、Serato Studioソフトウェアを導入するだけですぐに環境が整います。

また、一般的なDAWソフトウェアの中には初期の状態では音源が少ないことがあります。そんな場合はホストアプリケーションソフトウェアの他に、音源だけを別で購入することがありますが、Serato Studioなら追加音源も不要です。Serato Soundsがあります。
Serato Soundsとは有名なビートメイカーやプロデューサー、アーティストが提供するサウンドパックです。

ドラムキットやオーディオループ、オーディオワンショット、効果音やインストゥルメントがロイヤリティーフリーで無料で手に入ります。
しかも毎月新しいサウンドパックが増えていきます!
強力なサウンドパックがあるおかげで、追加の音源を購入しなくてもビートメイクが可能です。

もちろんSerato DJソフトウェアのライブラリを読み込み可能なので、著作権のクリアランスをすれば、普段DJしている楽曲からのサンプリングやマッシュアップ、リミックス、イントロ追加などのDJエディットまで可能です。


さて、Serato Studioの特徴3つを説明してきました。

次回はSerato Studioを使ってビートメイクを始める前の準備をご紹介します。