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【連載】BITWIG STUDIOで良い感じに音楽を作ろう!【96】

前回オーディオのLegatoとOnsetの移動について紹介しました。

ちょっとした機能ですが、操作と感覚に慣れると便利な時があります。

今回は前回紹介したLegatoの下のメニュー、ReverseとRev.Patternを紹介します。


Rev.PatternはOnsetの並び順のリバース

以前リバースについての解説を行ったことがありますが、その時の記事に使用した画像を見てもらうと確認できる通り、オーディオイベントの操作メニューはアップデートを繰り返すうちに機能が足されたり仕様変更したりしています。

今回紹介するRev.Patternも、後から足された機能のうちのひとつですが、その前にまずはReverse(リバース)のおさらいです。

リバースは簡単に言うと逆再生で、再生位置の前後を逆にします。
なので、オーディオの波形で見るとこのようになります。

リバース比較
上が元の波形で、下がリバース適用後です。
オーディオの終わりから逆に再生してくることになるので、波形で見ると左右が綺麗に反転していますね。

以前リバースを紹介した時の記事で紹介していますが、BITWIG STUDIOはクリップ内のMIDIノートに対してもリバースを適用できます。

MIDIノートにリバースを適用した状態を画像で確認するとこのようになります。

MIDIノートリバース比較
MIDIノートにリバースを適用する場合、複数のノートが選択されていないとリバースを適用することができないので、ノートをひとつだけ選択してReverseボタンをクリックしても何も起こりません。

さて、今回紹介するもうひとつの機能、Rev.Pattern(リバース・パターン)ですが、これが何かというとMIDIノートに対してリバースを適用したような効果をオーディオに対して与えるというようなものです。

例えば上のオーディオクリップに対してリバースを適用した例の画像は、判りやすいようにキックの4つ打ちを例にしていますが、打楽器の場合音は減衰していく(音が徐々に消える)ので、リバースした場合は音が徐々に聴こえてくることになりますね。

リバース・パターンは、サウンド自体はリバースさせずにフレーズだけをリバースさせようというものです。

これを実行するためには、MIDIノートのようにオーディオが分離している必要があるので、前回紹介したSplit at Onsetsや、ナイフツールを使用してオーディオイベントを分割しておきます。

次にリバース・パターンを適用したいオーディオイベントを複数選択して、Rev.Patternをクリックするとリバース・パターンが実行されます。

画像で確認してみましょう。

オーディオ波形
この画像は例で使用したオーディオクリップをSplit at Onsetsで切り出しています。

この素材に対して、クリップ内のすべてのイベントを選択して通常のリバースを適用した場合はこのようになります。

リバース適用後
全体の再生位置が逆になるので、オンセットで分離している場合にも左右が反転していますね。

同じようにクリップ内のすべてのイベントを選択してリバース・パターンを実行した場合にはこのようになります。

リバースパターン適用後
オンセットで切り分けたイベントの位置をリバースさせているので、個々のイベントの再生方向は変わらず、再生する順番だけが変わっています。

リバースパターン概要
リバースとリバース・パターンの違いを実際のサウンドでもご確認ください。

例えが解りやすいように、DJ連載動画でおなじみのスタッフshimomuraの決め台詞を使ってみました。

どういう使い方をしなければならないという機能ではないですが、リズムのハッキリしたオーディオに試してみると面白いことが多いと思います。

パターン・リバースのボタンはオーディオイベントにもMIDIイベントにも表示されますが、MIDIノートに適用した場合はReverse、Rev.Pattern共に同じ結果になります。

同じ結果になるならなぜ表示されているのかといえば、トラックがハイブリッド・トラックに変更された時のためですね。

といったところで引き続き、BITWIG STUDIOで良い感じに音楽制作を楽しんでください!
それではまた次回!

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